はい!現場の大恵です


メロディーレーン

今週から栗東トレセンは馬場開場が7時と遅くなりました。
いわゆる「冬時間」で1年のうち最も遅い時間の調教。

馬の調教=めちゃくちゃ朝早い

というイメージがありましたが
冬時間の場合、マスコミにとっては
「めちゃくちゃ」というほどでもないかなと思います。
(それでも私は朝が超苦手ですが)

ちなみに私の場合は5時40分くらいに起きるのですが、
神戸在住で大阪市内に通勤している姉もこのくらいの時間に起きます。

私は週1~2日だけですが
姉は週5なので、早朝に起きて長距離通勤されている皆さんの方が
すごいなぁと感じます。
さて、すっかり日が昇った10時30分すぎ。
ほとんどの馬が調教を終えて厩舎へ帰っていく中に
森田直行調教師の姿がありました。

坂路小屋からの帰り道、お声をかけて盛り上がったのは
「JRA最少馬体重」で話題になったメロディーレーンのこと。

小さいだけでなく
牝馬ながら菊花賞で5着に追い込むなど
バテない心臓も大きな魅力です。

菊花賞後はいろんな方面からの取材がさらに増えているようです。

「いまは淡路島のヒイラギステーブルで背中の疲れを取ったり
フラットワークを行っています。
次走は12月の有馬記念の週の予定。
自己条件や、格上挑戦でのハンデ戦などいくつかのレースを視野に入れています」

とのこと。
ハンデ戦で軽い斤量で出走できれば
超小柄な彼女にとってはいいでしょう。
一方で、自己条件でしっかり勝つことも大切でしょう。

まだメンバーも分かりませんから
メロディーレーンの状態を見つつ
これからさらに具体的なプランが練られていくことと思います。

帰厩したら、また注目を一身に集めそうですね。


見えづらさ

今日、73歳の母の白内障の検査に同行してきました。

ごく一般的な病気、と言うと軽すぎるのかもしれませんが
多くの方が加齢に伴って患う白内障。
祖父母も手術を受けていましたし
母もそうなることを自然と受け止めていたのですが
今日は手術を前に検査のため瞳孔を散大させたり何やで
見えづらかったようで、6~7時間は歩きづらそうにしていました。

これもまた多くの方が手術前などに通るごく一般的な道なのでしょうが
そんな母の姿を見ながらふと思い出したのは
地方競馬で活躍する宮川実騎手(高知)のこと。

落馬事故により左目の視力を失い
現在、日本で唯一の「隻眼ジョッキー」として
レースで戦っています。

昨年は地元リーディング3位。
夏まではトップに立っていたことから
片目の視力がないことを言い訳にせず戦っていることが伝わってきます。

程度や種類は違えど
「通常より見えづらい」というのは本当に不自由なのだなぁと感じた今日。

改めて隻眼ジョッキーのすごさと
並々ならぬ覚悟を感じたのでした。


天皇賞(秋)

大きな注目を集めた天皇賞(秋)は
アーモンドアイの完勝でしたね。

1枠2番と聞いた時
すぐにコーナーを迎えるこのコースでは内枠が有利な一方
万が一、少しでも出遅れてしまっては・・・
という不安も抱いていました。

これまでジャパンカップでは抜群のスタートを決めた一方
秋華賞や安田記念ではスタートから1~2完歩が他馬と比べて決して速いとは言い難いもの。
それゆえ、そちらの方が気になってしまったのですが
終わってみれば
「疑ってしまって本当に申し訳ございませんでした」
という強さ。

直線は追い出しを待つ余裕さえあったように見えました。
レース後は少しでも早く火照った体を冷ますため
すぐに用意していた水をかけたようですね。

父ロードカナロアも安田記念の時には同様の準備をしていたとか。

当時、調教助手として携わっていた安田翔伍調教師は

「誘導馬が待機している枠場のところで
レース後すぐに水をかける準備をさせてもらっていました。
安田記念の頃はもう夏の暑さですし
同様に、9月のセントウルSはまだ暑さが残っているので
出走にあたってはとても気を使いました」

こうした丁寧なケアを受けたロードカナロアは
強さにさらに磨きをかけて輝き
愛娘アーモンドアイもまた携わるみなさんのケアによって
もっともっと強さを見せてくれるのでしょう。

女傑は次にどこでどんなレースを見せてくれるでしょうか。
ワクワクが止まりません。


来週の新潟から

この夏、小倉競馬で落馬負傷した鮫島克駿騎手。

翌日は重賞・アイビスサマーダッシュでライオンボスに騎乗予定でしたが
無念の乗り替わりとなり
(ライオンボスは田辺騎手鞍上で勝利)
自身は左腕骨折で休養していました。

9月上旬から栗東トレセンに姿を見せていたのですが

「8月に退院しましたが、治るのにはまだ時間がかかりそうです」

と話していました。
まだ馬に乗れなくても
これ以降、頻繁に朝の調教時にスタンドにいるのを見かけていて
今週、ついに調教復帰を果たしました。

 

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「来週の新潟開催から復帰する予定です。
またよろしくお願いします!」

と鮫島騎手。

休養中には凱旋門賞観戦にも行ったようです。

休養中に騎乗予定だった馬たちが勝っていく姿を見るのは
とても複雑な心境な時もあったと思いますが
どうあがいても騎乗できない時、
思い切って気持ちを切り替えて、いかに有意義なことに時間を使えるかも大切なことでしょう。

佐賀競馬場で生まれ育った少年時代
武豊騎手が交流レースで来場した時は父・鮫島克也騎手と一緒に会いに行き
サインをもらって大切に部屋に飾っていたといいます。

来週からの復帰、楽しみにしています。


トレセン内散策で“村”発見

 

残暑厳しい…どころではないくらい
10月に入っても関西は暑さが収まる気配がありません。

先週のスプリンターズS当日は
阪神競馬場でトークショーに出演させていただいたのですが
汗が滴り落ちて目に入って、イタっ‼︎
となってしまいました。

(ということは、見に来てくださったファンのみなさんも
レースをしていた馬も騎手も厩務員さんも
大変な暑さだった…ということですね)
今週の水・木曜日の栗東トレセンも
日が昇りきる前までは涼しさを感じるものの
やっぱり暑かったです。
で、いつくらいだったでしょうか。
少し前にトレセン内を自転車で散策していたところ
「ウォーキングマシン村」なるものを発見!

美浦トレセンでは
一昨年の春、新たにできた「北の杜」エリアの新築厩舎に
ウォーキングマシンを設置している厩舎が何軒かあります。

そちらでは厩舎がコの字型に配置され
中央に広場が確保されているため
各厩舎の采配でミニ運動場として活用したり
ウォーキングマシンを設置したりしているのです。

一方で栗東トレセンは横一列の馬房配置のまま。
(美浦に先立って順次、
古い厩舎から新築への移転を何年もかけて行っているところで
新築厩舎は横一列馬房)

そのため、ウォーキングマシンを置ける場所はかなり限られているのですが
昨秋、小崎憲厩舎が設置しました。

スペースの都合上、4頭用のややコンパクトサイズになりますが
大きな話題となりました。

そして今回、ウォーキングマシンが集められた「村」が完成。

「うちも利用しています。
ウォーキングマシン内の前扉に近い位置でしっかり歩く馬が多いんですが
中には後ろ扉に催促されながら
のんびりマイペースで歩く2歳馬もいます(苦笑)」

と、ある厩舎。
活用が始まっています。
また、安田翔伍厩舎は
開業時から使用していた古い厩舎から
最近、新しい厩舎へ引っ越したのですが
(開業2〜3年目で新しい厩舎に引っ越すパターンが多いです)
リフォームの際に厩舎前庭にウォーキングマシンを設置。
ウォーキングマシン自体は牧場や地方競馬では以前から使われているので
新しい物ではないですし
飛躍的に能力アップにつながる最新兵器
というわけではないですが
“古くて新しいモノ"が広がりを見せています。

 
写真は先週から調教復帰した難波剛健騎手と障害練習から帰ってきたキタサンサジン。

 

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