昆厩舎×横山騎手
さぁ、今週末はJBC競走です。
レディスクラシックに出走予定のアンジュデジール(昆貢厩舎)には先週、横山典弘騎手が駆け付けて1週前追い切りに騎乗しました。
昆厩舎と横山典弘騎手といえば
京都牝馬Sと阪神牝馬Sを勝ったミスパンテールや
日本ダービーで人気薄ながら4着に粘ったマイスタイルなどのコンビでお馴染み。
栗東の厩舎と美浦の騎手の組み合わせですが
特に昨年などは横山騎手がかなり頻繁に栗東トレセンへ調教に乗りに来られている姿も見かけていて
「栗東に移籍してきたの?(笑)」なんて笑って冗談を言う調教師もいたほど毎週いる時もありました。
昆厩舎でのレース成績はすごくいい印象があって
普段の調教も含めて調教師や厩舎スタッフと密にコミュニケーションが取れていることが好成績につながっているのかなー?
などと個人的には考えていて
昆厩舎×横山騎手の組み合わせはついつい馬券を買ってしまいたくなります。
実際、勝率や連対率を調べてみても
全体 昆厩舎
勝率 11.0% 17.9%
連対率 20.1% 32.8%
※データは2017年1月1日~2018年10月28日
昆厩舎での騎乗が特に増えた昨年~今年のデータで比べてみるとこんな感じ。
どちらも高い数字をマークしています。
さて、アンジュデジールが今年2月にエンプレス杯を勝った時
横山騎手は
「だいたいこうなるだろうな、とイメージ通りのレースでしたが
唯一違っていたのは、自分が思っていたよりも馬の状態が良くなっていたこと。
休んでリフレッシュできた感じで、馬が良くなっていて
休む前は少しモタモタするところがあったのが
今日はすごいキレ味を出してくれました」
と話していました。
JBCレディスクラシックではどんな走りを見せてくれるでしょうか。
とても楽しみにしています。
障害レース
先週21日(日)、新潟の障害未勝利戦に芝のオープン馬ムーンクレストが出走して2着でした。
障害練習2日目にコース内側の馬場でクロスバーを飛んでいる姿を見たのは前走・シリウスSの少し前。
障害練習の効果か、初ダートが良かったのか、
「シリウスSではそれまでよりもレースっぷりが良かったですね」と担当助手の話でした。
その後、10月11日に障害試験に合格しての障害初戦。
新潟の障害レースは芝コースに障害を置いてのいわゆる「置き障害」のレースで、専用の障害コースがある京都や阪神・中山などに比べて障害の高さが低くなっています。
例えば、京都のいけ垣は約1.4mあるのに対し、新潟は1.2~1.3mのハードル障害。
レースを見ていても新潟では障害の手前でほとんどスピードが落ちません。
よって、平地力が求められるコースにもなるため、オープンや上のクラスで活躍していた馬に向いているコースとも言えます。
個人的にもムーンクレストの走りに注目していたのですが、騎乗した平沢健治騎手も
「平地力があるのは分かっていたので、障害を飛ぶのだけ気を付けていました」と。
特に「単走では大丈夫なんですが、練習で併せ馬にしたら横の馬を怖がって飛んで行ったので、レースでは内から来られてもいいというくらいの気持ちで、少し空けて飛ばせました」ということ。
たしかに、改めてレース映像を確認してみると周囲と横の間隔を取りながら障害を飛んで行っています。
障害レースって平地に比べると馬群がバラけやすいので、特に気にせず見てしまうのですが
こうして、あえて周りと距離を取っている理由を聞くと「障害レースって深いな~」とますますハマっていってしまいます。
そうそう、障害レースといえば落馬負傷していた難波剛健騎手が今週の調教から復帰しています。
「左まぶたの上が切れて、自分でもビックリするくらい血が噴き出していました(苦笑)」
とのことですが、パッと見た感じでは気づきにくいほど元の男前に戻っています。
肋骨も骨折していたようですが、また復帰戦を心待ちにしています。
トレセン周辺のご飯
栗東トレセンから車で5~10分のところに
「栗東市農協 田舎の元気や」
という道の駅のような施設があります。
ホント、どこにでもある道の駅のような感じで
レストランや野菜・果物の直売所、特産品コーナーなどがあるのですが
唯一違うのが「おにぎりドライブスルー」!!
なんとここ、ハンバーガーやコーヒーを買うようにして
車に乗ったまま出来立てホヤホヤのおにぎりを買うことができるんです。
(もちろん、車に乗っていなくても購入可能)
先週、トレセン取材の帰りに初めて利用したのですが
噂に違わぬ美味しさっ!!
おにぎり向きのちょっと硬めのご飯、
中の具材、
そしておにぎり自体がすごく大きいんです。
ずっしり重みを感じるほどで
これで100円ちょっとはお買い得。
ドライブスルーには何台も車の列ができ
徒歩で買いに来ている人も数人待ち。
その人気の秘訣、よ~く分かりました。
栗東トレセンには愛馬を見に来られる馬主さん、
GIシーズンになると公開調教を見に来るファンの方々がいますが
近くで美味しいものを食べられるお店って限られているんですよね。
ちなみに、私が取材の合間によく利用するのは
トレセンから出てシンザン像を左、栗東インターの方に向かって自転車で(笑)5分くらいの「一汁三菜」。
こんな↓栄養バランスが整ったランチから
唐揚げや近江牛コロッケのランチまで。
ランチの後はスイーツ、夜もお酒とアラカルト営業をしているので
トレセン近くでご飯に困ったらオススメです。
先週の栗東トレセン
先週から栗東トレセンでは調教ゼッケンが新しくなりました。
9月までは
*2歳馬:緑
*3歳馬:黒
*4歳以上:白
だったのが
*2歳馬:黒
*3歳以上:白
という色分けに再編成。
私たちマスコミやカメラマンは新しいゼッケン番号をこれから覚えていくことになります。
追加登録されていく2歳馬や、地方から出戻りで新たに番号をもらう馬は別として、基本的には五十音順に振られています。
なので、たとえば清水久詞厩舎で2桁番号の馬が走っていれば
「たぶんアキトクレッセントだろうな」
と見当がつくこともあれば
ある時期、キタサンブラックが「551」という関西人にはお馴染みの数字列だったのでスグに覚えてしまったことも。
(GI馬は紫色のスペシャルゼッケンなので、番号以前に一目瞭然なんですけどね)
そんな1つの新しいスタートをきった先週の栗東トレセンですが、水曜日の後半の時間帯に坂路で馬が倒れ、その影響でCWコースでの追い切りが増える、という事態がありました。
この件とは別に以前、とある調教師と馬の故障についてお話をしたのですが
「紙一重で難しいからねぇ…ホント、難しい」と。
毎日、担当厩務員や助手が脚元を触ったりケアをして
追い切り前に獣医に「明日、速い追い切りをしても大丈夫ですか?」と確認をすることもありますし
もちろん追い切りの後は獣医に診てもらい
調教師もいろんな状況を総合的に判断して追い切りやレースを決めていく
慎重に丁寧に進めていても、事故は起きてしまいます。
言葉を話せる人間のアスリートでさえ、怪我に悩まされるのですから、馬が相手ではなおさら難しいということは頭では分かっていても、こういう事象を聞くと、切なくてやるせない気持ちになってしまいます。
そんな時に見るのが競走馬総合研究所のホームページや、競走馬やトレーニングに関する研究発表。
「こうして日本馬はどんどん強くなっていったんだ」
と新たな知識を得て、少し前向きになれる気がします。