はい!現場の大恵です


そろそろ2歳馬たち

3月も最終日となりました。

トレセンではPOG取材が最盛期。
私も2~3週ほど前から2歳世代の取材をスタートしています。

各厩舎、すでに「今年最初の2歳が入厩したよ」や
「もう何頭か本州に移動していて」
という声が聞こえてきます。

そんな中、栗東トレセン入厩第1号は中内田厩舎の2歳馬たちでした。

ゼッケン1番を着けてトレーニングに励んでいます。

 

 

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写真は先週水曜日撮影

 

2020年デビューの新種牡馬は
モーリスやドゥラメンテ、エイシンヒカリなど。

リオンディーズやホッコータルマエも馬っぷりのいい産駒がいると聞きます。

今年は残念ながら新型コロナウイルスの影響で
産地馬体検査が中止となってしまいましたが
若駒たちはメキメキと成長し、競馬場でのデビューを目指しています。


加速する自粛で、元気の源

日に日に新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化しています。

今週からは出走馬のオーナーであっても競馬場入場は自粛の事態。
競馬に携わる者として
日本が置かれている事態の深刻さを最も肌で感じる出来事です。

もちろん、私たちマスコミもごく限られた人のみが
検量室付近での取材を許可されることとなりました。
(当然、若輩者の私は対象外)

また、地方競馬では水曜日に浦和競馬場で騎乗予定だった赤岡修次騎手(高知)と吉原寛人騎手(金沢)が
木曜日は名古屋競馬場で騎乗予定の笹川翼騎手(大井)が
それぞれ遠征を自粛。

公共交通機関を利用しての移動となりますから
万が一、自身が感染してしまえば地元の競馬開催の危機ともなりかねない状況。

競馬開催をなんとか維持するため、
痛みは伴いますが、それぞれの立場ででき得る対策を取っている状況です。

今日は朝からこういったニュースが飛び交っており
ちょっと気分が塞ぎ気味になりましたが
しっかり感染予防をしつつ、健康のためにも明るく元気に過ごしたいなと思うところです。

で、いまTwitterでとても話題を集めているのが
阪神競馬場の公式アカウント。
( @HanshinKeibaJo )

以前からいろいろと情報発信がされていたのですが
無観客競馬が始まって以降の投稿がさらに人気です。

かくいう私も虜になった一人。

競馬ファンに代わってターフィーくん人形と一緒に競馬場内の様子を見せてくれたり
競馬場に溢れる「音」に注目した動画など
改めて「競馬、大好き!」と感じさせてくれるものばかりです。

なお、競馬場に溢れる「音」に注目した動画は
JRA公式YouTubeでも公開されています。

これを見ながら思い出したのは競馬ファンになったばかりの頃の記憶。

開門前から入場門に並び、
パドックに1Rの出走馬たちが登場すると
馬のにおいや蹄の音で競走馬を身近に感じてウキウキし、
スタンドに鳴り響く本馬場入場曲では胸が高鳴りました。

両手を広げて、五感で競馬が楽しめる日が
一日も早く戻ってくることを願うばかりです。


笑顔咲いた先週の競馬

先週は高知・黒船賞→栗東からの園田→名古屋大賞典とレディスヴィクトリーラウンドと
平日は3日連続で取材行脚をしていました。

新型コロナウィルス感染拡大のため各地で無観客競馬が行われる中
こうして取材に行かせていただける立場にいること
とてもありがたく思います。

その分、こちらのブログやTwitterなどで
なるべく臨場感のある情報を、と思うのですが
果たしてどれだけお役に立つことができているか…。
気を引き締めて精進するのみです。

さて、15日(日)阪神9Rでは9番人気のツーエムアロンソが勝利。
ハンデ戦とはいえ、トップハンデとは2kg差の中で直線の坂を勢いよく駆け抜け
1番人気のウォーターパルフェ武豊騎手を2馬身半離しての勝利でした。

鞍上は先々週にデビューしたばかりの泉谷楓真騎手。
早くもこれが4勝目、さらに特別初勝利となりました。

ゴールの瞬間は
「よく勝つねぇ」なんて声も関係者から聞こえてきたり。

流れや勢い、“よく勝っている”という印象なども大切になる世界。

たった一人の栗東所属の新人ですが、快調な滑り出しです。

 

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また、喜びに沸く関係者の中に混じって笑顔を咲かせたのは
地方・兵庫の渡瀬寛彰調教師。

ツーエムアロンソはJRA未勝利で園田・姫路に転出し
2勝を挙げてJRAに再転入してきた馬なのですが
地方時代に管理していたのが渡瀬調教師。

「うちにいた馬がこうしてJRAに戻って勝つとすごく嬉しいです」
と渡瀬調教師。

偶然にもこの日の7R
ドバイキャンドルとともにJRAに初遠征をしていて
運よく元管理馬の勝利に立ち会えたというわけでした。

 

IMG_2589▲ドバイキャンドルと鴨宮祥行騎手(兵庫)

 

IMG_2674▲渡瀬寛彰調教師(右)

 
携わる人々が満面の笑みで勝ち馬を囲む風景は素晴らしく、
見ているだけで幸せな気持ちになることも多いです。


出会いと別れ

3月1日の阪神1Rで栗東唯一の新人・泉谷楓真騎手がデビューしました。

無観客の静まり返ったパドックでメイショウヒバリに騎乗すると
辺り一帯に鳴り響いた報道カメラマンたちのシャッター音。
無観客ゆえ、その音は大きく感じられ、少し驚いたかもしれませんが
その後の騎乗ぶりは新人らしい積極的なものでした。

前日の雨を含んだ重馬場のダートで
多くの馬が前目のポジションを狙う中
泉谷騎手も内枠からポジション争いに参加して果敢に逃げます。
3kg減を生かし、直線に向いても脚色は衰えず。

 

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しかしゴール前、写真右端に写っているテイエムレビューが強襲し、
鼻面を揃えてゴール板を駆け抜けました。

関係者からは
「残れっ!」
と新人騎手を応援する声も聞かれたものの
入線後は
「これは差されてしまったかな~」
という声も。

さらに
「いや、スローを見る限り、これは分からないよ」
との声も上がったりと、見ている方もドキドキの状況でした。

写真判定の結果がまだ出ぬ中
先に戻ってきたテイエムレビューの国分恭介騎手は2着の枠場に。

続いて泉谷騎手も戻ってきて1着の枠場に入ったのですが
この時点でもまだ写真判定の結果は出ておらず。
どんな気持ちでここに入ったのでしょうか。

 

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その後、「同着」のアナウンスがあり
泉谷騎手は「初騎乗・初勝利・同着・無観客」というメモリアルだらけの1戦を笑顔で終えました。

 

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▲初勝利のプラカードを持ったのは同着の国分恭介騎手。
軽々しく持っているように見えますが、実はコレ結構重たいんです!

 

そして同じ日の阪神12Rでは引退する山内研二調教師が
最後の出走を管理馬ジュエアトゥーで勝利。
有終の美を飾りました。

ゴール後は“後輩”にあたる調教師たちから
「おめでとうございます!」
と多くの祝福を受け
その後しばらく、何かを噛みしめるようにじっと席に座ってらっしゃいました。

 

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▲藤沢則雄調教師(右)からの祝福を受ける山内調教師

 
このレース、山内厩舎は3頭出しだったのですが
レース後の引き揚げ場面ではこのようにトレードマークの“山内メンコ”が揃うシーンも。

 

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2~3歳の早い時期から活躍馬を出し
桜花賞や皐月賞も制覇されました。
ピンクに“ベンツマーク”とも呼ばれた緑の家紋が入ったこのメンコも見納めですね。

引退式に集まったジョッキー達から
「胴上げしましょうか!?」と冗談(?)も飛び出したり
阪神3Rをテイエムイダテンで勝利後の口取り撮影では
山内厩舎スタッフがズラッと並んだり
温かな雰囲気に包まれた一日でした。

 

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▲岩田康誠騎手が胴上げのジェスチャー(笑)
もちろん、していません。

 

 

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▲阪神3Rテイエムイダテンの口取り風景

 

さて、今週からは栗東では新たに2厩舎がスタートを切りました。
早速、真新しい厩舎服やラグで調教場を馬が闊歩していく姿はとても新鮮。
こちらは角居厩舎時代にサートゥルナーリアを担当した吉岡辰弥厩舎。

 

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こちらは高橋康之厩舎から調教師に合格した新谷功一厩舎。

 

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新たな季節が始まりました。