はい!現場の大恵です


東京優駿

今年もダービーが終わりました。

テレビの前のソファーでクッションを胸に抱えながら
前のめりになって観戦したダービー。

ブラウン管越しに見たそれは
ダノンベルーガ川田将雅騎手をジオグリフ福永祐一騎手がピタリとうちに封じ込めながらマークしているように見えました。

そして、直後で虎視眈々と狙っていたドウデュースが直線で抜け出して勝利、と。

しかし、レース後に各媒体で発表されたコメントを読んてみると
福永騎手は
「取りたいポジションを内の馬に取られてしまいました」と。

つまり、ダノンベルーガをマークしていたというより
その場所が欲しかったがゆえに、あの位置取りになったのかな?とも思えるコメント。

トップジョッキーたちが集まる、何よりもダービーだからこそ
枠順も位置取りも仕掛けどころも、いつも以上にピリピリした感じにまた魅了されてしまいます。


いろいろあったオークス

先週のオークス。
いろんな思いを抱えている方も多いのではないでしょうか。

今日、梅田の地下街を歩いていると、若いビジネスマンたちが
「3コーナーで急にCMに切り替わってさ~。
4コーナー以降は全然見られなかったんだよ!」
と話している声が聞こえてきました。

オークスのことですよね。
私も同じ状況に陥りました。

自宅観戦であればもちろんグリーンチャンネルを見ているのですが
この日は生配信のスタンバイがあり、広告代理店のオフィスに。

一応テレビはありますが、民放しか映らない状況でした。
3コーナーでCMに切り替わった瞬間

「えーーーーっっ!」

と思わず叫び、まもなく16時を指そうとする時計を見て消化不良の思いが込み上がってきました。

どちらかと言えばテレビ側の世界にいる人間なので
必ず流さなければいけないCM本数が決まっていることも
あらかじめ決められた放送枠内で番組を収めないといけないことも
最低限の知識は頭で理解していても、瞬時に感情は追いつきませんでした。

ただ、これについては広告マンの友人から
「もうあれは現場やテレビ局側の人間からすればどうしようもなかったと思うよ」
と諭され、確かにその通りだな、と。

では誰が悪かったのか?
と言うと、正直誰も悪くないので感情のやり場に困るというものです。

分かりやすい悪者がいればいいんですけどね。

晴れのオークスの舞台。
無念の除外となってしまったサウンドビバーチェのことを思うと胸が痛いです。

陣営はここに向けて仕上げてきて
オーナーは愛馬の走りを楽しみにしていたことでしょう。
ファンもこの1週間、追い切りや枠順発表を見てワクワクしていたことと思います。

放馬したサウンドビバーチェを急いでスタート地点まで連れて帰って来ていた現場のJRA職員の姿を見るに
もしかしたら「なんとかしてGIに出走させてあげたい」という思いもあったのかもしれません。

もうこのあたりは想像でしかないので真偽のほどは不明ですが
ただ一つ言えるのは、強い日差しの下で長く待たされ
しかもこの世代の馬たちにとっては慣れない大観衆の目の前。
テンションがギリギリ、というより、ヒートアップしてしまってスタート前に戦いが半ば終わってしまっていた馬もいたように映ります。

精神力も強い馬には求められる条件ではありますが、
ただ、あまりにも「いきなり」の大観衆でしたし
最近は急に暑くなって、栗東トレセンではミストをガンガンにたいている厩舎もあるような状況。
酷だったようにも感じました。

だからこそ、スターズオンアースは着差以上の強さを見せたように思います。
他馬と接触しながらも力強く伸びてきた桜花賞もそうだったように
精神力の強さを感じる牝馬。

また秋の戦いが楽しみですね。


たくさんの人の思い

先週のヴィクトリアマイル。
得意の距離で強さを見せたソダシは輝いていました。

もう1頭、いろんな意味で「強さ」を感じたのはデアリングタクト。
繋靭帯炎から約1年に及ぶ休養明けの初戦で
通常であればいきなりのGIでは難しいと感じてしまうところ。

オープン馬や条件戦の馬では久しぶりの実戦で息がもたない、
という場面も頻繁に目にしますから
それが史上初の無敗の牝馬三冠馬であっても、勝利へのハードルは低くはないと感じていました。

そんな中、直線で伸びてきた時には夢を見ましたし、最後の踏ん張りには6着という結果以上に
彼女自身の強さを感じました。

そして何より、繋靭帯炎からの復活を支えた多くの方の努力が素晴らしいなとも感じた一戦。

治療後、最初に乗り始める時は緊張感があったでしょうし
その後のケアにもとても気を使われたことと思います。
再発しないか、調教やケアにいろんな工夫をしたかもしれません。

「こうして携わってきた人たちの思いをきっちり受け止めてレースに臨みたいです」
とレース前に話していた松山弘平騎手。

内ラチ沿いで存在感を放った1頭と1人に目が釘付けになりました。


久しぶりのゴールデンウィーク

今年のゴールデンウィークは約2年ぶりに旅行やレジャーが解禁ムードとなり
各地で混雑がありました。

例年、私のゴールデンウィークは土日のJRAを挟みながら地方競馬場行脚。
4月末の笠松・オグリキャップ記念にはじまり
5月3日名古屋・かきつばた記念、4日兵庫チャンピオンシップ、5日兵庫大賞典、8日佐賀・地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップと流れていきました。

新幹線の駅の大混雑を見て
「ようやくコロナから解放されつつある!」と嬉しくなったと同時に
「これからはまた連休などは混雑するのか・・・」と、ここ2年で人の少ない快適さに味をしめてしまったゆえ
いらぬ苦悩を少し感じました。

競馬場はというと、地方競馬場については場合によってはコロナ前よりも多くのファンが来場する状況。
その一因はウマ娘ブームであったり、名古屋競馬場が移転・新オープンしたことだったりするのですが
「昔、競馬を見ていたけどしばらく離れていました」
というファンも少なくはなかった様子。

コロナで一気に売り上げが増えたものの、他の娯楽が再開されたらアッサリ急落するのではないか
と、とても不安に思っていたのですが
ウマ娘世代の新たな層と、かつての競馬ファンといったここ数年ではいなかったファン層ができたことで
さらにまた競馬が盛り上がっていけばな、と感じました。