はい!現場の大恵です


オジュウチョウサン

今年のクリスマスはとても濃かったですね。

クロスマスイヴの土曜日は中山大障害でオジュウチョウサンのラストラン。

レース実況では何度もオジュウチョウサンがコースロスなく運んでいることに触れられていましたが
これ、私も障害レースの取材を始めたばかりの頃によく障害ジョッキーに教えていただいていました。

特に、高田潤騎手は
「阪神の襷コースはインで入っても出口ではアウトになってしまうから
いかにあの襷の部分で再びインを取れるかをめちゃくちゃ考えている」
と、ロスなく運ぶことへ強い意識をお持ちのようでした。

また、難波剛健騎手は
「馬によってはインで包まれて動きたい時に動けなくなるタイプもいるので、難しいです」
と、コース取りの奥深さを話していました。

そして、これはどなたが話していたか
「石神深一騎手は大障害コースが上手い。
オジュウであれだけ勝っているもんね!
俺たち(栗東所属騎手)は中山コース自体、乗ることが少ないもん」
と。

中山の障害コースは深い谷を上り下りするなど非常に難しいコースなのですが
大障害コースとなればなお難易度は上がります。
そこでの勝利はとても大きなアドバンテージ。

オジュウチョウサンと中山大障害や中山グランドジャンプを何度も勝つことで「どう乗ればベストに近づけるか」を掴み
さらに最強コンビへとなっていったのではないのかな、と思います。

今年の中山大障害は6着でしたが、最終レース後の引退式は障害馬としては異例とも言えるファンが集まりました。

障害界の絶対王者として、ワクワクするレースをいつも見せてくれて本当に「ありがとう」の気持ちでいっぱいです。


ぜひまた中京でYJSを

ヤングジョッキーズシリーズ・ファイナルラウンドが今年は約10日早い12月16日、17日に終わりました。

毎年12月28日にホープフルSが行われる中山競馬場と、その前日に大井競馬場で行われるのが恒例。

初の西日本開催となった2020年でも24日園田競馬場、26日阪神競馬場という日程でしたから、例年よりかなり早い日程だったことが分かります。

その理由は中京競馬場での開催だったから。
12月の中京開催は朝日杯FS週までのため、その中でもなるべく年末に近い最終週が選ばれたのでしょう。

また、前日の地方ラウンドは今年4月に弥富市に移転した名古屋競馬場が選ばれました。

そうした今年の中京でのファイナルラウンド開催、私は大いに賛成します。

というのも、騎乗するJRAの若手騎手たちは絶対的なお手馬などがまだまだ少ない立場。
1レースでも多く乗って、減量が取れるまでにたくさんの経験も積みたいと考える中で
ファイナルが中山競馬場で行われると、栗東所属の騎手は必然的に阪神での騎乗馬を断らなければなりません。

断った騎乗馬が再び自分の元に戻ってくる保証はトップジョッキーですらなかなかない時代。
若手となればその不安はなおのことでしょう。

せっかくYJSでファイナルに進出できたのに
それを手放しで喜べない状況は見ていて辛いなあと感じていました。

それが、ローカル開催である12月の中京競馬場であれば、美浦・栗東の両若手騎手にとってYJS以外の騎乗機会も得やすい状況。
実際、永野猛蔵騎手がこの日に挙げた2勝はともに過去に騎乗経験のある馬でのものでした。

若手騎手の騎乗数の増加および騎乗技術の向上を目的とするYJSですから、ぜひ今後もローカル場での開催を期待したいです。

 

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調教師試験合格者

今朝10時。

トレセン事務所やスタンドなど、至るところに「調教師試験合格者」の紙が張り出されました。

毎年、この季節が近づくと「今年の本命候補はこの人じゃないか」という
真偽のほどが定かではないけれど、各々が合格しそうな人を好き勝手に予想しはじめます。

「もう何回も二次試験に受かっているらしいよ」
「あれだけ熱心に勉強しているんだから、そろそろ受かってほしい」

そんな周囲の期待や、本人の願望も入り混じってトレセン内の声は形成されるように思います。

それだけ注目度の高い調教師試験。
今年の合格者の中で断トツの注目を集めたのは言うまでもなく福永祐一騎手でした。
日本ダービー3勝をも挙げるビッグネームが調教師に転身とあって
お父様の名を冠した重賞・福永洋一記念が行われる高知県ではローカルニュースでも取り上げられたようです。

一方、個人的に「きゃあ!」と喜びの声を上げた合格者は河嶋宏樹さん。
中竹和也厩舎で調教助手をされている河嶋さんに知り合ったきっかけはダコールの取材。

以来、実家が近くで親近感も沸き、コロナ前は他愛のない話もよくしていました。
ただ、コロナ禍で私自身、トレセン取材ができない期間が2年近くあり
気づけば持ち乗り助手だった河嶋さんは攻め専助手へとなっていました。

そんなことすら知らなかったので、調教師試験を受けていたことを合格発表を見て知る次第。
だから、「きゃあ!」には驚きも含まれていたのですが
とってもとっても嬉しい報せでした。

これからは「河嶋先生」と呼ぶ日が来るのかな?と考えるとちょっぴり不思議な気持ちになりますが
真面目で、真っ直ぐな河嶋さんが素敵な厩舎をつくっていくこと、とても楽しみにしています。

 

参考リンク:ダコールと河嶋助手