はい!現場の大恵です


藤懸騎手

藤懸貴志騎手がJRA通算100勝を達成しました!

待ちに待った100勝。
長野県の大桑村という、競馬とは無縁の地域と思われる土地の出身だと
デビュー間もない頃に知ってから
藤懸騎手に興味を抱いていました。

テレビや雑誌から受ける印象そのまま
取材をするようになってからも「素直で真っ直ぐな人」という印象は変わりませんでした。

デビューから所属していた平田修調教師は
「あんまり負荷はかけてほしくないけど時計は出してほしい
なんて難しいオーダーを叶えてくれるのは
藤懸騎手くらいしかいない」
と、かつて話していたほど調教技術に定評がありました。

また、あるカメラマンは
「しがない僕たちカメラマンにも
丁寧に接してくれて嬉しい」
と。

私も藤懸騎手の人柄を含めて大好きでした。

ところが、コロナ前のある日
取材をしていてハッとさせられたことがありました。

それは、ある媒体の企画で取材に行った時のこと。
メインの取材話が一段落し、雑談へと転じていた時

「僕も結婚して子供が生まれましたし
もっとがんばらないといけないと思うんですよね。
毎週末、そんな思いです」

それまでと打って変わって、真剣な表情でそう話す藤懸騎手に
覚悟の強さを感じました。

その後、GI初騎乗となった今年のオークスは
16番人気ながらハギノピリナで3着、
6月のマーメイドSではシャムロックヒルで逃げ切って
重賞初制覇を遂げました。

この勝利によって、JRA通算100勝に王手をかけ
今日の新潟2Rでのメモリアルを達成。

本当におめでとうございます!


ジャパンダートダービー

ゴールデンウィークまっただなかの園田競馬場。

ダートグレードレース・兵庫チャンピオンシップのレース後、
中井裕二騎手は検量室前でパトロールビデオを何回も何回も
今野貞一調教師ら関係者と見て、レースを振り返っていました。

先頭で直線を迎えながら、あと少しのところでリプレーザに交わされて2着でゴールするシーンがモニターに映し出されるたび
肩を落とし、悔しい表情を見せた中井騎手。

「最初のコーナーでグンと馬が力んだ分が最後に繋がったのかな?
とも思いますが、『それでも!』という気持ちで追い出しました。
本当に残念で仕方なくて・・・。
ゴッドセレクションはしっかり頑張ってくれていますし、園田にも対応してくれたのですが、勝ち馬の方が小回り適性があったのかなと感じました」

ゴッドセレクションは力一杯走ってくれたのに、勝つことができなかった
という悔しさとも無念さとも感じ取れる思いから
敗因がどこにあったのか、いろんな角度から分析を繰り返しているようでした。

そして1番人気で迎えた昨夜のジャパンダートダービー。
日曜日の小倉12Rで騎乗馬がゲート内で暴れて尻もちをつき
その後グリーンチャンネルに映された中井騎手は体を痛そうにさすっていたので
JDDに騎乗できるか心配していたのですが、無事その姿がありました。

ゴールデンウィークの時とは違い、逃げ馬を追いかけながら迎えた直線。
じわじわとその差は詰めたのですが、アタマ差届かず2着でのゴールとなりました。

結果は非常に残念ではあるのですが
誰よりも遅くまで兵庫CSのパトロールビデオを見ながら敗因を分析していた中井騎手の姿を思い出すと
このコンビで重賞戦線で活躍する姿を見たい!と思うのでした。

さて、勝ったのは地方・船橋所属のキャッスルトップ。
初勝利はデビュー9戦目となった今年6月で、そこから3連勝でのJpnI制覇でした。

さらに仲野光馬騎手はデビュー8年目、通算45勝目での重賞初制覇でもありました。

「大井で勝つこと自体がそう多くないですし
重賞初制覇がJpnIだなんて」

と、謙虚に話しながら喜びを噛みしめる姿と
地方競馬教養センターを体重の問題で中退したのち、名門・川島正行厩舎(船橋)で下積みを経験したというエピソードから
仲野騎手のことをもっともっと知りたいとも思った夜でした。

最近、南関東所属馬によるダートグレード制覇が続きます。
地方競馬の関係者としては嬉しいだけでなく、モチベーションが高まったり勇気を与えられる勝利でしょう。

キャッスルトップの関係者のみなさま、本当におめでとうございました。


スピード競馬とドレフォン産駒

今年の新種牡馬・ドレフォンの産駒が早くも4頭、勝ち上がりました。

アメリカの馬で、ブリーダーズカップ・スプリントを制した
という経歴から、ダート馬を輩出するのかな?と素人は考えていたのですが
産駒は芝のレースもどんどん勝っていき、ビックリ仰天!

「ダート馬はダートに特化した産駒を生む」
なぁんて単純な発想は、いとも簡単に覆されました。

一体ぜんたい、どういう要素が芝でも勝ち馬を出したのか
私にはなかなか知識が及びませんが、
先行争いを制してブリーダーズカップ・スプリントを制したような豊富なスピードが
速いタイムでの決着となりやすい近年の日本の競馬にマッチしているのでしょうか。

それにしても、開幕週となった先週の小倉はすごいタイムが連発しましたね。

初芝だったプリモダルクが逃げて「世界のアグネスワールド」のレコードを更新したことも驚きでしたし
翌日の3歳未勝利の芝1200mで前半600mが32.0秒という
通常ならば超ハイペースの中
先行したゲノムが勝利し、ハクサンムーン産駒JRA初勝利を挙げたこともタイム面で驚きでした。