はい!現場の大恵です


インフルエンザ

「全国的に警報レベル」と言われるほどインフルエンザが流行っています。

先々週には戸崎圭太騎手がインフルエンザで乗り替わりになったほか
栗東トレセンでも先々週~先週は罹患したという調教師や厩舎スタッフがチラホラ。

私も気を付けて小まめに手洗いをするなど予防に努めていたのですが
びっしりインフルエンザになってしまいました・・・。

お仕事関係のみなさまにはご迷惑をおかけしてしまって申し訳ございません。

最近はインフルエンザ診断キットをあらかじめ配布し
自宅で判別できるようにする試みがスタートしたとか。
軽度の風邪で病院を受診して、そこでインフルエンザをもらってしまうリスクが嫌で
この時期は病院に行くことを避ける人も多いですもんね。

予防も含めてインフルエンザについて世間ではいろいろと議論されていますが
競馬界も例外ではありません。

南関東では今冬、複数の騎手がインフルエンザにかかり
騎乗変更が相次いだ日がありました。

南関東の場合は騎手の人数が多いため、なんとかカバーできましたが
2年前、高知では次々に騎手がインフルエンザやその疑いで倒れ
レースで乗れる騎手がたった14名になってしまったことがありました。

馬はいるのに騎手がおらず、レース成立が危ぶまれる事態。
結果的に、兵庫から中田貴士騎手と鴨宮祥行騎手が助っ人として騎乗しに行き、開催することができました。

調整ルームやサウナ、検量室など狭い空間に一緒にいることが多いため
体力のある騎手といえど、感染してしまったのかもしれません。
予防接種をしても100%感染を防ぐものではないだけに
その対策は難しい面が多分にあるなぁと感じます。


川崎記念

川崎記念JpnIでミツバが優勝しました。
おめでとうございます!

ご存知の方も多いかと思いますが
ミツバは京都馬主協会ホームページで馬名を公募されて名付けられた馬。

3月28日生まれにちなんで「328(ミツバ)」という可愛い名前は
ファンの間でもお馴染みになっています。

川崎競馬場は南関東4場の中でもコーナーが最もキツいと言われています。
たしかに現地でレースを見ていても
直線がある程度長いわりに向正面がとても近く感じます。
コーナー部分が短いのでしょう。

それゆえ、左回りの経験が浅い馬や騎手の中には
「コーナーで吹っ飛んでいきそうになった…」
という場合も。

特に3~4コーナーは勝負所でかなり加速しながら迎えるため
外に振られ過ぎないように回るのがとても難しそうに感じます。
減速しすぎてもいけませんしね。

ミツバはここを逃げ馬の後ろで綺麗にコーナリングしてきました。
もし、少し控えて前2頭の外に出せば後手を踏んだり遠心力が大きくかかったのではないかと思います。
内を回って来られるミツバの器用さと
和田竜二騎手の手綱捌きにちょっと感動した川崎記念でした。


職人技

かなり以前のことになるのですが、とある厩舎を訪れた時のこと。

厩舎の端にある調教師室の入口扉を開け閉めしながら

「なんかちょっと変な音しーひんか?」

と調教師が言いました。

「閉まる時にわずかに違和感のある音がして
気になって仕方ないんよなぁ」と。

私には全く分からなくて
何度も何度も開け閉めをして一緒に確認したのですがやっぱり分からなくて

「すみません、私には普通の扉音にしか聞こえません…」

とギブアップしてしまいました。
元々、かなりのめんどくさがり屋で大雑把な性格の私。
それゆえ、心の中では「壊れたわけじゃないから、別にいいのでは!?」とまで思ってしまっていたんですよね。

 

今週のトレセンでふとそんなことを思い出して
別の調教師に話していると

「あぁ~。それ、分かるわー!」

と納得されてしまいました。

どういうことかと言うと

「私たち調教師は馬のわずかな変化にいち早く気づくのが仕事。
だから朝一番、馬房から出る一歩目の足音で
『あれ、いつもとちょっと違うな』とか
『蹄鉄の釘が緩んでるような音がするな』
ってなるんです。
だから、扉の音にも気づくんでしょうね」

わぁ~!!!
と感動するほど納得しました。

こういった職人技はトレセン内に多く存在していて
たとえば厩務員や持ち乗り助手だと
ひ腹を触って「●●のレースの時より皮1枚分厚い」
と担当馬の状態を把握して、調教内容やエサに反映させる人も。

些細なことの積み重ねが
レースでの結果を大きく左右するだけでなく
さらに言えば、無事にレースに向かえるかにも関わってくること。

扉の異音から職人技の奥深さを知った今週のトレセンでした。


立場を変えて新しい年のスタート

松の内が明けてしまいましたが
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

1月9日は栗東トレセンでの取材はじめでした。

すでに東西金杯やシンザン記念などレースは行われたので
今朝は「先週、おめでとうございました」という挨拶も。

飯田祐史調教師は初日の1月5日にシンゼンマックスで今年初勝利。

「先輩方もおっしゃいますし、僕も何年やってもそうなんですが
その年の1勝目を挙げると気持ちが全然違いますね」
と笑顔で話していました。

競馬は週末が来るたびにレースが行われていく・・・という連続ですが
年が変わり、記録の上でも勝利数が一旦リセットされる年始は
ちょっと気持ちも異なるようです。

 

ところで、「年が変わって立場が変わられた」といえば
こちらのお二方も。

 

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・・・って、背中ですみません。

前を歩いている赤いジャンパーは
林満明 元騎手。

障害レース2000回騎乗を果たした名手は
12月31日付で騎手を引退し
現在は角居勝彦厩舎で調教助手をされています。

そして後ろの白毛馬に乗っているのは
吉岡辰弥 技術調教師。
ホープフルSを制覇したサートゥルナーリアを担当していましたが
昨秋、調教師試験に合格され
今年から調教師となりました。

 
馬場開場の朝7時から断続的に小雪が舞う栗東トレセンでしたが
新しい年が始まり、みなさんそれぞれに新たな一歩を踏み出されていました。

 

 

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