はい!現場の大恵です

出会いと別れ

3月1日の阪神1Rで栗東唯一の新人・泉谷楓真騎手がデビューしました。

無観客の静まり返ったパドックでメイショウヒバリに騎乗すると
辺り一帯に鳴り響いた報道カメラマンたちのシャッター音。
無観客ゆえ、その音は大きく感じられ、少し驚いたかもしれませんが
その後の騎乗ぶりは新人らしい積極的なものでした。

前日の雨を含んだ重馬場のダートで
多くの馬が前目のポジションを狙う中
泉谷騎手も内枠からポジション争いに参加して果敢に逃げます。
3kg減を生かし、直線に向いても脚色は衰えず。

 

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しかしゴール前、写真右端に写っているテイエムレビューが強襲し、
鼻面を揃えてゴール板を駆け抜けました。

関係者からは
「残れっ!」
と新人騎手を応援する声も聞かれたものの
入線後は
「これは差されてしまったかな~」
という声も。

さらに
「いや、スローを見る限り、これは分からないよ」
との声も上がったりと、見ている方もドキドキの状況でした。

写真判定の結果がまだ出ぬ中
先に戻ってきたテイエムレビューの国分恭介騎手は2着の枠場に。

続いて泉谷騎手も戻ってきて1着の枠場に入ったのですが
この時点でもまだ写真判定の結果は出ておらず。
どんな気持ちでここに入ったのでしょうか。

 

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その後、「同着」のアナウンスがあり
泉谷騎手は「初騎乗・初勝利・同着・無観客」というメモリアルだらけの1戦を笑顔で終えました。

 

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▲初勝利のプラカードを持ったのは同着の国分恭介騎手。
軽々しく持っているように見えますが、実はコレ結構重たいんです!

 

そして同じ日の阪神12Rでは引退する山内研二調教師が
最後の出走を管理馬ジュエアトゥーで勝利。
有終の美を飾りました。

ゴール後は“後輩”にあたる調教師たちから
「おめでとうございます!」
と多くの祝福を受け
その後しばらく、何かを噛みしめるようにじっと席に座ってらっしゃいました。

 

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▲藤沢則雄調教師(右)からの祝福を受ける山内調教師

 
このレース、山内厩舎は3頭出しだったのですが
レース後の引き揚げ場面ではこのようにトレードマークの“山内メンコ”が揃うシーンも。

 

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2~3歳の早い時期から活躍馬を出し
桜花賞や皐月賞も制覇されました。
ピンクに“ベンツマーク”とも呼ばれた緑の家紋が入ったこのメンコも見納めですね。

引退式に集まったジョッキー達から
「胴上げしましょうか!?」と冗談(?)も飛び出したり
阪神3Rをテイエムイダテンで勝利後の口取り撮影では
山内厩舎スタッフがズラッと並んだり
温かな雰囲気に包まれた一日でした。

 

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▲岩田康誠騎手が胴上げのジェスチャー(笑)
もちろん、していません。

 

 

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▲阪神3Rテイエムイダテンの口取り風景

 

さて、今週からは栗東では新たに2厩舎がスタートを切りました。
早速、真新しい厩舎服やラグで調教場を馬が闊歩していく姿はとても新鮮。
こちらは角居厩舎時代にサートゥルナーリアを担当した吉岡辰弥厩舎。

 

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こちらは高橋康之厩舎から調教師に合格した新谷功一厩舎。

 

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新たな季節が始まりました。