はい!現場の大恵です

成績欄だけでは分からぬ思い

8月最終日は佐賀競馬場へサマーチャンピオンJpnIIIの取材に行ってきました。

重賞未勝利なのが不思議なくらい、ダートグレード競走で常に上位争いを繰り広げるヘリオス
夏にグンと調子を上げるレディバグ
ハンデからも好勝負が期待できるオマツリオトコなど
好メンバーが揃った中、勝ったのはこれがオープン初勝利でもあったサンライズホークでした。

この馬、成績を見ただけでも「すごい・・・」と感嘆の言葉が漏れる馬で、初勝利はなんと3歳未勝利最終週。

まさに今週と同じ状況で、背水の陣といった状況でした。
加えて、デビュー2戦目で初ダート。
単勝は158.4倍という評価でしたが、ダート1000m戦で鋭く差すと初勝利を挙げ、さらに3連勝で一気にオープンへと上り詰めたのでした。

タラレバを言うならば、もしもあの時、最後の未勝利戦を勝てていなければ、いまごろはJRAに在籍していなかったかもしれません。
競走馬の運命はふとした瞬間に大きく変わるのだな、と改めて感じる1頭です。

そして、陣営の大胆な判断もまたサマーチャンピオン制覇を手繰り寄せたように感じます。
というのもオープン入り後は、それまでの4連勝で見せた鋭い末脚を生かせない競馬が続いていたのが、サマーチャンピオンでは思い切った逃げの手に出たのです。
これには本当に驚いて、「えぇっっ!!」と声を上げてしまいました。

また、盛岡のクラスターカップから長距離輸送を挟んでの中1週での佐賀だったのですが牧浦調教師は臨戦課程をこう話します。

「クラスターCは硬さなどは抜けて体調面は良くなっていたのですが、休み明けで仕上がり面でもう一歩。
そこを叩いていいステップになった感じで、馬がもう一段階上がったので間隔は詰まっていましたが出走を決めました」

状態の良さ、そして長らく1200mを使ってきていたのを200m距離延長し、初ブリンカーで集中力を増して序盤からの積極策に出られたのでした。

何も知らずに成績欄だけ見ると、「未勝利最終週にギリギリ勝ち上がった」「強行ローテで初距離に挑戦」
と、ともすればネガティブに捉えてしまう可能性がありますが、
そこにはサンライズホークを何とか勝たせたい、という陣営の思いが詰まっていたのだな、と改めて感じたサマーチャンピオンでした。

 

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