北新地競馬交友録

ギリギリ

第25回参院選が4日公示され、21日投開票に向けた選挙戦が始まった。
今回の注目は1人区である。
何とかして我らが安倍ちゃんにストップをかけたい野党がヒソヒソ。
5月の連休後から話し合いが進み、政策合意も13項目に達して、ラストの選挙区として鹿児島も候補者が決定。
6月7日、全国32の1人区での野党統一候補が確定した。
もっとも、7月21日の投票日から逆算すると僅か44日前なのだから、まさにギリギリで間に合ったと云わざるを得まい。

「今日の福島『ラジオNIKKEI賞』、中京『CBC賞』。馬場がややこしい上に、どんぐりコロコロの背比べ、はたまた難解ハンデ戦じゃ〜、馬柱をどっからどう見ても当たる訳がねえ。予想屋の印が割れてへっぴり腰なのもむべなるかなだ。今年は年明けからハズレにハズレて、公表を憚れるぐれぇの借金がある。まぐれ頼りで、道楽やってる余裕がねえんだ!余裕がョ〜!」と、マニーがないのを何故か胸を張って自慢するマスターは、やっぱり変わっている。

「発表!函館7R。祐次のクールティアラに助けて貰う。ダート1000は何だかんだ云っても前が有利。問題は横山の小倅が乗るダノンチャンスだ。史上最強の下手ッピだと思っていたら、いつの間にか腕を上げて、新潟開催のリーディングまで取ってやがんの。しかも何故か函館ダート1000は外枠が有利。調教も強化して来てるから納得の一番人気だ。いぶし銀祐次のど根性に期待するしかねえだろう。クールティアラの単勝に2万、元取りで複勝に5万でいてこます」と結論付けた。

「直線コースに入る!先頭ノボシュンシュン3馬身のリード!200を通過!2番手クールティアラにダノンチャンスが外から襲いかかる!先頭はノボシュンシュン!クールティアラ2番手から前を追う!差が詰まる!2頭並んでゴールイン」
「極!遠慮しろ!馬鹿野郎!祐次!差せ!差せ!差せ!差せ!差せ!」
荻野極Jの捨て身の逃げで、本命クールティアラが追いかける展開。
最後の直線100m、神戸元町ウインズの床が抜けるじゃないと思うほど絶叫マシーンと化したマスター。

「マスターさん際どいです」は熊本天草出身○原さん。
「てめーは相変わらず盆暗だぜ。5万%祐次が差してる。しかしヒヤヒヤもんだ。極の野郎が調子こいて逃げまくるから心臓が縮みあがったちゅ〜の。2着じゃ単勝の馬券がゴミになる。こりゃ〜上下大きいぜ」とホッとため息を付いた。
1着 クールティアラ 丹内J
2着 ノボシュンシュン 荻野極J
3着 ダノンチャンス 横山武史J

「マスター、単勝290円です。直前売れましたね」は競馬友達のK君。
「なぬ?290円?そんな馬鹿なロックンロールショー。1時間前は5倍付いてたんだぜ。あ〜あ騒いで損しちまった。土曜日いかれてるから、トータルで1万8千円しか儲かってねえじゃん。こんな事なら祐次と武史のワイド1点に、7万ぶち込んだ方がナンボかマシだった。俺の当った馬券はなしてこんなに安いんだ。まさかJRAが嫌がらせしてんじゃねえだろうな?」と、妄想に囚われてぼやきにぼやく、神戸元町ウインズ1時半前。

「マスターさん、後は流して勝ち祝いでお寿司ですかね?」
「○原さんョ〜、僅か1万と8千しか勝ってねえんだ。こったら儲けで万度スーシ食ってたら破産しちまうじゃねえか。ほら、すぐ横にボーナスが軽く帯びが出たK君がいるだろ。たかるならK君にたかれ、K君に」
「あの〜来週なんですけど」
「そんなの関係ねえ!のオッパッピーだ。ヒサンで貸してやっから心配すんな」
「マスター無茶苦茶なんだから」
「はい、はい、無茶苦茶デスョ。文句あっか!」
「………………」

野党統一候補顔負けのギリギリで、馬券になったマスター。
まずは、良しとしようではあ〜りませんかの、チャーリー浜師匠の日曜日なのであった。