北新地競馬交友録

青天の霹靂

大阪春の陣『ダブル・クロス選挙』は、知事、市長、県議、市議全てが事前予想を上回る、大阪維新の会の圧勝で終わった。
関東発信のメディアを中心にネガティブ報道が相次いだが、大阪を拠点にしてる人間からすれば、大阪維新の会の勝利は選挙前から判っていた。
何も難しい事ではない、現実に暮らし向きが良くなっているからである。

その一翼を担っているのがインバウンドと呼ばれる外国からの観光客。
2018年の統計によると、大阪を訪れた人は、日本全体の30%強にあたる1111万人以上だ。
消費した金額は1兆円を上回り、ニャンと!太陽光発電システムの市場規模に匹敵するものとなっている。
国別ではChinaからの観光客が最多。
Chineseは大阪loveなのである。

国と国との関係では、一瞬足りとも気が抜けないが、民間レベルではいい関係を築いているのだ。
Chinaを良く知ろう!お勉強の時間である。

『青天の霹靂』

放翁病過秋 
忽起作醉墨 
正如久蟄龍 
青天飛霹靂

作者は陸游。
南宋の代表的詩人で、范成大・尤袤・楊万里とともに南宋四大家のひとりである。
『霹靂』とは、かみなりの事。
陸游が病床あった時に突然に起きだし筆を走らせた、その勢いを雷/稲妻に例えたことから、本来は筆勢の激しさを表わしたもの。
転じて、予想もしなかったような事件や変動が、突然起きることを意味する。

うら若き乙女の闘い、『桜花賞』で青天の霹靂に会ったのが、北新地で吹けば飛ぶようなBARを稼業としているマスターだ。

今日の『桜花賞』はどうなさいますか?」競馬友達K君のクエッションに、「うむ、内から友君のクロノジェネシス、ルメ公のグランアレグリア、将雅のダノンファンタジー、この3頭の中から頭が出るのは、芦◯崇信幼稚園ひまわり組の真司君でも判る。そん中でも俺ぁ〜ダノンファンタジーにいっとう気がある。去年の暮れ、『ジュベナイルフィリーズ』直前に、京都馬主協会会員さんが、クリスチャンを店に連れて来てくれてョ〜。そん時クリスチャンが「勝ちま〜す!自信がありま〜す!」て云うから、それに乗っかって儲けさせて貰ったからな。」

「なるほどですね。買目はどのように?」
「まともにスタートを切れば怖い、プリンスのビーチサンバ、無欲の先行策マルコメのジュランビルが同居した7枠は必ず馬券に絡む。発表!枠連!4ー7が大本線で4万、2ー7が3万、7ー7ゾロ目のまっちゃんに1万。ハマった時のデムーロも侮れねえ5ー7に8千。万が一のタテ目2ー4に1万。してから懇意にさせて頂いている馬主さんのノーワン単勝に2千でいてこます。」と結論付けたのだが………。

「4コーナーから直線!グランアレグリア早くも先頭!内からプールヴィル!3番手ジュランビル!続いてメイショウケイメイ、ダノンファンタジーは外から!追い出しにかかる!」
「うっしゃ!将雅まとめていてこませ!」激しくシャウトするマスター。
「残り200!内ラチ沿いでグランアレグリアが先頭!3馬身のリード!2番手プールヴィルを交わしてダノンファンタジーが上がる!内からシゲルピンクダイヤが追い込んで来る!外!外からクロノジェネシス!先頭はグランアレグリア!グランアレグリア!グランアレグリア!ゴールイン!手が上がったクリストフ•ルメール。」

1着 グランアレグリア ルメールJ
2着 シゲルピンクダイヤ 和田J
3着 クロノジェネシス 北村友J
4着 ダノンファンタジー 川田J
5着 ビーチサンバ 福永J
グランアレグリアとダノンファンタジーの4ー7が出来た!と思ったところへ、シゲルピンクダイヤが強襲し、タテ目押さえのクロノジェネシスも3着止まりで、馬券がゴミとなった。

マスター、神戸元町ウインズの低い天井を見上げて溜息一つ。
「シゲルピンクダイヤ、『チューリップ賞』の2着は、フロックじゃなかったんですね。」とK君。
「馬主さんにゃ〜叱られるかも知んねえが、シゲルの冠の馬がクラッシックで来るか?普通来ねえョ。竜二の野郎もシャカリキになりやがって。手綱捌きを間違えたらどうするんない。危ねえだろうが。あ〜あやってられねえぜ。俺ぁ帰る。」

「マスターさん、気分転換にお花見行きましょう」
「行きたかねえョ」
「敷物も持って来てるんです。私も年ですから来年は見れないかも知れません。」と、ディパッグから折り畳んだブルーシートを取り出したのは、熊本天草出身◯原さん。
「へ!用意のいいこって。爺さんの泣き落としかい。あの世で見りゃいいじゃねえか。ナンボでも見ろ!ナンボでも。」
「マスター付き合ってあげてください。今日はあったかいし、桜も満開ですから。DAIMARUに買い出しに行きましょう。かかりは全部僕が持ちます。」とK君。
「……………..。」

買い出しを済ませタクシーに乗って『生田川公園』へ到着した、マスターとまあまあ愉快な仲間たち。
「キレイですね〜。ここ数年で最高の花見です。」
「お宅は気楽でいいよな〜。こんだけ馬券が外れると、ブルーシートにお世話になる日が遠くねえんじゃねえかと気が滅入って来るぜ。◯原さん、付き合ってやったんだ、その辺の空き缶拾って、たまには俺に孝行せんかい!」
「マスター、そんな酷い事云わないで。さ〜飲みましょう!」
「チェ。」舌打ちも虚しい、神戸『生田川公園』午後5時半。
前途多難である。

青天の霹靂、シゲルピンクダイヤの激走でフラフラになったマスター。
ブルーシートはまだ早い!
ケッパレᕦ(ò_óˇ)ᕤ