北新地競馬交友録

逆転

春は別れの季節である。
「息子さん、今年就職ですね?どちらに?」
「東京ですわ」
北新地の彼方此方で、毎夜、こんな会話が交わされている。
経済、文化etc、全てが東京への一極集中なのは誰でも知っているが、「こりゃ〜どうしようもないな」と思ってしまうのが、地方の大学を卒業した学生の多くが東京へ東京へ。
統計上もそれはハッキリしていて、大学入学の18歳と卒業の22歳の東京への人口流入の数値が非常に高い。
片方が増えれば、片方が減るのが道理で、地方は若者がいなくなり、増えるのはお達者クラブばかりと云う事になる。
政治屋がいくら口先だけで『地方創生』などとお為ごかしを云っても、何の意味も効果もないのは明々白々なのだ。

アンチ東京としては腹立たしくとも尾っぽを巻いて拗ねるしかないが、大阪は少しばかり抵抗している。
『2025大阪万博』『夢洲カジノIR誘致』そして、スケールは天と地、クジラとメダカ、釣鐘と提灯ほど違うが新しい施設がこの26日にオープンする。
都市型温泉リゾート 『空庭温泉OSAKA BAY TOWER』。
「な〜んだ温泉か」と馬鹿にする事なかれ。
ニャンと!5000坪もの敷地で、関西最大級の温泉テーマパークとなる同施設。
『美、癒やし、味』を楽しめる施設を目指し、温泉のほか、岩盤浴、1000坪もある日本庭園、割烹や利き酒コーナー、リラクゼーションスペース、コスメショップなどお楽しみがモリモリ森昌子なのである。
馬鹿丸出しの中坊風に云うならば、「1000坪の日本庭園凄くねぇ?」

ごまめの歯軋りなのは承知の助でも、「大阪は負けまへんで!」と一先ずほざいてみようかᕦ(ò_óˇ)ᕤ

「マスターおはようございます。土曜日のルメールJには」
「皆まで云うな、あんにゃろう、せっかく将雅のボストンテソーロがぶっちぎってるのに、2番人気パイロテクニクスで気のねえ騎乗しやがって。怒ってるのは500人のクラブ会員だけじゃねえぞ。全国1千万の馬券愛好家に謝れってんだ」
ニホリカで3番目にオツムのいい学校を出て、堂々の東証一部上場企業に勤めるK君に朝からのボヤキ節。
ここ3週万度愚痴ばかり聞かされているK君はたまったもんじゃない。
「わざわざ美浦から勝ちに来てるのに、5着じゃ〜馬運車に揺られただけ損したようなもんです」
「ルメ公も去年みてぇな勢いがねえよな。馬の質は下の豊大明神の後塵を拝しているようじゃ〜ダミだ」
「でも、リーディングトップの武豊Jと2勝差まで詰め寄ってます。今日辺り逆転もあるのでは?」

「おう!俺もそう思う。今日のメインは3場とも大混戦で買いたくねえが、どれか一つと聞かれりゃ〜、中山のメイン『中山記念』だろう。ハービンジャー牝馬の最高傑作との呼び声も高いディアドラが並み居る牡馬をなで斬りだ。発表!ディアドラからの枠連、内から中山の鬼、正海のウインブライト、師匠の引退への花向け、脩のラッキーライラック、騎手としての正念場、元気のステルヴィオ、たまには孝行してくれ、圭太のエポカドーロまで。予算が7万しかねえから、ウインブライト、ステルヴィオ、エポカドーロへ平に2万。牝牝馬券でラッキーライラックへ1万で勝負を賭ける。」
「スワーヴリチャードは無視ですか?」
「ああ、出遅れて必死のパッチで追い込んでの3着だ」とひとっぱたき。

どれだけ気合いを入れようが、大阪が東京を逆転する事はないが………ルメールJが武豊Jを逆転するのはアリアリなのである。
頑張れ!ディアドラ!真面目にやれ!ルメールJ!