北新地競馬交友録

猛暑

記録的猛暑に見舞われている我がJAPAN。
暑いだけじゃなく台風もバンバン来るもんだから堪ったもんではない。
しかし、雨も降らずひたすら暑いだけだったのが、1994年の夏である。
全国151カ所の気象台や観測所のうち、40%に当たる61観測点で「観測史上最高気温」を記録。
東京では最高気温39.1℃、最低気温29.3℃、熱帯夜は40日を超えた。

この年の夏の特徴は猛暑に加えて深刻な水不足で、農作物の旱魃被害金額が全国で597億円。
西日本を中心にコメ、ミカン、ブドウ、野菜などの被害が大きく、また畜産業でも猛暑で牛約3900頭、豚約4000頭、ブロイラー約186万羽が死んだ。
記録的な日照りで琵琶湖の水位が下がり続けた結果、湖底から戦国時代の武将・明智光秀が約400年前に築造した坂本城の石垣の一部が現われたのだから半端なかったのである。

「いや〜暴れたくなるぐれぇ暑かったな〜今年の夏はョ〜。馬もヨレヨレで眼の下にクマ作っちゃって、もう勘弁してくださいてなもんョ。特に牡馬はやっぱ夏に弱い。夏は牝馬とは昔の人はいい事云ったもんだ。この『小倉3歳S』俺が注目しているのは馬だけじゃない屋根もおなごしのムーブアップだ。お父さん知ってっか?リサちゃん。ニュージーランドの別嬪さんだョ。初来日、この小倉で9勝上げてるんだから、そこいらのヘッポコ騎手よりゃ〜数段腕達者って事だ。相手はご贔屓、大崎の昭ちゃんタニノリフアーズ、信行のダイタクテイオー、克己のビッグヒーローまで。馬連でいいだろう。まあ〜見てなって、リサちゃんが男衆を引き連れて勝ち切るから」聞かれてもいないのに長講釈はマスターの昔からの悪い癖である(//∇//)

「4コーナーから直線!緑の帽子オグリワン先頭!外からエイシンサンサン!交わしたか!交わしたか!エイシンサンサン先頭に変わる!インでオグリワン粘る!粘る!後方からはヤングエブロスが突っ込んで来るが二着争いまで!エイシンサンサン!ゴールイン」
1着 エイシンサンサン 岸滋彦
2着 オグリワン 石橋守
3着 ヤングエブロス 上村洋行
8着 ムーブアップ リサ•クロップ
向正面で一瞬先頭に立ったムーブアップだが、まるでいいところなく破れ去り、馬券が鼻も噛めないゴミと化した。
梅田ウインズでしょんぼりぼりぼり、ボリショイサーカスのマスター、馬券を床に投げつけてアントン猪木ばりのジャンピングストンプを連発するが時既に遅しだ。

「なんでぇ〜なんでぇ〜。牝馬は牝馬でもエイシンサンサンかョ。滋彦の野郎猫被りやがって。あ〜あリサなんてどこの馬の骨とも判らねえジンガイに入れあげた己の愚かさに泣けてくるぜ。昭ちゃんもなんなら?跨ってグルと回って来ただけじゃねえか。1番人気でぶっ飛んで、大恩ある島崎のテキに顔向け出来ねえだろうが。しかし今年の夏は暑いだけで、ちぃともいい事が無かった。阪神開催が待ち遠しいぜ」
遣られても、遣られてヘコタレない性根はそれなりに立派なのだが………。

今年とタメを張るぐらい暑かった1994年の夏。
岸滋彦Jが牡馬を引き連れて鮮やかに小倉のターフを走り抜けた。
もう、随分と昔の話しだな〜。