北新地競馬交友録

債務超過

最近の民放と云えば、真っ当な大人が見るに堪える番組はナッシング。
ニュース番組のスポーツコーナーぐらいしか見ない。
予算がないのか、どの局の番組も浅草の金太郎飴で、違いがあるとしたら、出演している芸能人の顔ぶれが代わっていると云うぐらいである。
その点、予算なら幾らでもありますョ!のNHKは見応えのある番組が目白押し。
「あ!もう一度見たいな〜」
「お任せください、『アーカイブス NHK名作選 みのがし なつかし』があります」と至れり尽くせりである。

そんな中でも深く印象に残っていて先日再度見たのが、2009年に放送された『ハイビジョン特集 零戦 ~栄光と悲劇の航跡~』
先の不幸な大戦で、日本海軍の主力戦闘機として、抜群の運動性能と長い航続距離で開戦当初から華々しい戦果を挙げた零式艦上戦闘機・通称零戦。
ミッドウェー海戦で母艦を失い、ラバウルの戦いで消耗戦を強いられ、ついには爆弾を搭載し敵艦に体当たりする神風特別攻撃隊に至る栄光と悲劇の航跡を丁寧に描き切っている。
「零戦は戦闘機の最高傑作。我がジャパンの航空技術は凄い。アメ公なんか足元にも及ばなかったんだぜ」とポパイも顔負けの力こぶなんだが………。

国産初のジェット旅客機『MRJ』(三菱リージョナルジェット)を開発する子会社の三菱航空機が約1000億円の債務超過に喘いでいる。
この『MRJ』の初納入は当初13年の予定だったが、設計の見直しなどで5度延期し20年半ばにずれ込み、1800億円と見込まれた開発費も6000億円規模に膨らんだ。
この結果、三菱航空機は17年3月末に510億円の債務超過に転落。
債務は、この1年でさらに約500億円膨らんでいると云うのだから、事は穏やかではない。

ホリエモンでも、宇宙ロケットを飛ばそうかと云う時代に、何故、旅客機ごときでこんなに苦戦しているのかは門外漢の私には不明だが……..とにかく出来ないものは出来ないのである。
「ゼロと遭遇したらファイトするな。とにかく逃げるんだ!」青い目のパイロットどもを恐怖のどん底に叩き込んだ名機零戦を開発したのは遠い昔の話し。
1000億からの債務超過で、ニッチもサッチもブルドック、『フォーリーブス』状態なのが現実なのである。

「マスター、お帰りなさい。沖縄はどうでしたか?」と競馬友達のK君。
「一回激流に巻かれて死にそうになったが、愛しいのアイちゃんと行ったステーキの名店『さわふじ』が絶品でョ。2人で3万がとこ払ったが、馬券の事考えたらタダみてぇなもんよ。もっとも5日間も那覇に滞在してチョイと不相応に贅沢かましたから、今日の『ヴィクトリアマイル』だけは何が何でも当てなきゃいけねえな。どうせまともに働いたって追っつきゃしねえんだらョ」と一くさり。

「どの馬からですか」と熊本天草出身○原さん。
「豊のリスグラシューを信じたいが、そう云う訳にもいかんだろ。ここはボックスの方がいい。まずは馬連、内から怒涛の4連勝横典のミスパンテール、時計勝負ならドンと来い圭太のアエロリット、常に怖いデムーロのアドマイヤリード、騎乗停止明けでヤル気満々豊のリスグラシューのボックス6点一目1万。3連複フォーメーション、この4頭を一列目、二列目に塗り塗り。三列目に将雅のラビットラン、ジェントル幸のジュールポレール、逃げまっせ!拓哉のカワキタエンカを足して22点一目1千と5百。7千をおまじないで豊のリスグラシューの単勝。締めて10万で勝負を掛ける」と結論付けたのだが……….。

「第4コーナーから直線!先頭はアエロリット!内からリエノテソーロ!最内を突いてレーヌミノルが押し上げる!間でカワキタエンカも粘っている!横に大きく広がった!外からレッドアバンセ!アエロリットを捉えた!ジューヌポレールも追い込んで来る!やっと来た!リスグラシュー!レッドアバンセ!ジューヌポレール!リスグラシュー!3頭広がった!ジューヌポレール!リスグラシュー!2頭並んでゴールイン!さ〜どっちだ!」

「マスターさん際どいですね」と○原さん。
「テメーは馬鹿か?何年競馬やってんだョ〜。ジェントル幸のジュールポレールが5万%勝ってる。あ〜あ、何でこうなんのかね〜。素直にリスグラシューから買ってたら押さえではジューヌポレールも買ってたぜ。馬連でいくら付いてんだ?あ〜ん?2700円てか、こったらもん5千円なら楽勝で買えてたョ。大体がジェントルなんて芝でシャカリキになる事ぁ〜ねえんだ。ダートで地味にやってりゃいいものを」
「マスター、普段から上手いと云っている北村友Jを無視しちゃいけませんね」と競馬友達のK君。

「くぬ野郎!俺に意見すんのか!そう云うおめえさんは買ってんだろうな?」
「複勝1万円ですけどね」
「へい!へい!馬券がお上手なこって、宜しゅうござんしたね」
「お寿司でもご馳走させてください」と気前のいいところを見せるK君。
その道すがら、「マスターさん、年明けからトータルでどれぐらいやられてますかね?」
「そりゃ〜もう直ぐ一本ぐらいでしょ」と、ヤケクソで傘を振り回しながら歩いているマスターの後ろで、ヒソヒソ声で話す○原さんとK君。

三菱航空機がMRJで塗炭の苦しみに喘いでいるとは云え、親会社の三菱重工業は4兆円企業。
バックが太いと、「まあ〜その内何とかなるでしょう」でもいいが……..。
マスター!債務超過で大ピンチだ(・∀・)

皆さま、お付き合い有難うございました。
明日も続きます。