北新地競馬交友録

片方だけじゃ

先の不幸な大戦で、あのチャーチル首相をして「まさかあの船が沈むとは」と嘆かせたのが、当時最強の戦艦と評されていた『プリンス・オブ・ウェールズ』
日本海軍機の度重なる攻撃を受けた末、撃沈。
艦隊を指揮していた、トーマス・フィリップス大将は度重なる退艦要請を「ノー・サンキュー」と断り、艦と運命をともにした。
ジョンブル魂ここに有りである。
まさに、航空機がいくさの死命を決する時代の幕開けとなる出来事だったのだ。

来週にも、財務省が森友学園との国有地取引に関する決裁文書を改ざんしていた問題で、改ざん当時に同省理財局長だったとっちゃん坊や佐川宣寿・前国税庁長官に対する証人喚問が、行われる見通しになった。
真相解明のために一歩前進と云ったところだが、「とっちゃん坊や1人じゃ許さない。安倍ちゃんの嫁も引っ立てい!」と、野党6党の国対委員長達が息巻いている。
事の発端は安倍ちゃんの嫁さん、この問題の真相を明らかにするのには、とっちゃん坊やだけではダメポと云う訳である。
不沈戦艦アベ丸に迫り来り来る危機、プリンス・オブ・ウェールズみたいな事になるのであろうか?

「この『金鯱賞』は、左周りのスペシャリスト、スワーヴリチャードが2着を外すような事ぁ〜、お天道様が西から上がるぐれぇありねえ。サトノダイヤモンドを無視して突き抜けられたらアッチチになるから安全策を取っか。発表!馬連!スワーヴリチャードからサトノダイヤモンドに4万、変則ながら『金鯱賞』三連覇がかかるヤマカツエース、これまたサウスポーのメートルダールに各3万締めて10万でご機嫌伺いと行こうか」

「ブレスジャニーはいらないんですか?」との競馬友達K君のクエッションには、
「う〜ん、現実に『東京スポーツ杯2歳S」でスワーヴリチャードをいわしてるんだから、いらねえとは云わねぇが、こったら少頭数、あれも怖い、これも怖いじゃ馬券になんねえからよ」と、おっかなビックリながらも「エイヤー!」でひとズグ勝負と結論付けたのだが……….。

「第4コーナーから直線!サトノノブレスが先頭!残り400通過!2番手からスワーヴリチャード坂を駆け上がる!外からダッシングブレイズ!連れてヤマカツエース!その更に外サトノダイヤモンド!前の争いサトノノブレスをスワーヴリチャードが外から交わしに掛かる!大外からサトノダイヤモンド追い込んで来るが!スワーヴリチャード先頭でゴールイン!2番手サトノノブレス!サトノダイヤモンドは3着まで」

スワーヴリチャードとサトノダイヤモンドで決まったら元返でも仕方ない。
狙いは6倍付くヤマカツエースとメートルダールだったマスター。
サトノはサトノでもノブレスが2着に残って茫然自失だ。
「K君教えてくれや。何で上がりの脚ではスワーヴリチャードに太刀打ち出来ねえヤマカツエースやメートルダールが、ポヤポヤ後ろを走ってんだ?謙一や祐一なんて丸で勝つ気がねえじゃんか。これは競馬ファンに対する背信行為だぜ」と怒る事怒る事。

「僕にも判りません。馬場もいいのにあんな楽逃げさせたらいけませんよね」
「今すぐ、あの二人に繋ぎ入れて、俺のひとズグ返して貰ってくれ」
「そんな事したら捕まりますよ」
「判ってるよ!冗談に決まってんだろう。でもよ〜今の俺はそんな気分だぜ」
「お察し致します」
気勢の上がらない事、ここに極まれりの会話に終始する2人の横で、スワーヴリチャードの単勝を取って、熊本天草出身○原さんが小さくガッツポーズの、神戸元町ウインズ午後4時前。

世間の注目の的である証人喚問。
とっちゃん坊やだけじゃ真相は判らない、嫁も呼べと勢い付く野党。
馬券もスワーヴリチャード片方だけが当たっても、どうしようもないなるなりである。

皆様、お付き合いありがとうございました。
明日も続きます。