北新地競馬交友録

俺に付いて来い

『だまって俺に付いて来い』by ヒトシ植木

ぜにのないやつぁ
俺んとこへこい
俺もないけど 心配すんな
みろよ 青い空 白い雲そのうちなんとかなるだろう(笑声)

彼女のないやつぁ
俺んとこへこい
俺もないけど 心配すんな
みろよ 波の果て 水平線
そのうちなんとかなるだろう(笑声)

仕事のないやつぁ
俺んとこへこい
俺もないけど 心配すんな
みろよ 燃えている あかね雲
そのうちなんとかなるだろう

わかっとるね わかっとる わかっとる
わかったら だまって俺について来い

マスターの店は、金曜日の夜ともなれば、次の日の競馬の話しで持ち切り。
そんな昨晩、脚を運んでくれたのは、北新地村の住人として、毎日をおもしろ、おかしく生きて来たが、ベイビーが産まれたのを機会に、ウォータービジネスと縁を切りお昼の会社に転職した◯本君。
奥さんは元々、座って5万両。
北新地でもモーストお高いクラブに勤めていたホステスさんだが、現在では世の中の女子の憧れ専業主婦である。
◯本君、どうやら奥さんに、ビッチリ首根っこを抑えられているようで、一般のサラリーマンのようにお小遣い制で凌いでいるらしい。

「マスター、馬券が全然当たりません」
「うん、そりゃ〜俺も同んなじだ。あったま来るよな。わ〜5万円いてこまされた!冗談めかしていても、ビール50杯分だぜ。俺ぁ〜そのうちJRAにボアされるかもな」
「当たり馬券て売ってるんですかね?」
そこに乱入したのは、ウルトラ常連、外資系商社勤務の山◯君である。
「マークシートの当たりを塗ろうとしたら、微妙に左右にズレるんじゃないですか?」
「そりゃ〜あり得るな〜」
何とも間の抜けた会話だが、それ程当たりに飢えていると云う事であろう。

「おめ〜達の苦しみはよ〜く判った。俺が明日のレースからこれしかない!ってのをピックアップする。各々、考えはあるだろうが、黙って付いて来てくれ。発表!札幌2R義政のクリノレオノールは鉄板だ。もし2着を外すような事がありゃ〜、加計学園問題どころじゃねえぞ。会期外審査が延々行われる事になる。枠で行こう。相手は距離短縮で新境地を開いた瑠星のコウセイキャサリン。狂ってプリンスのティアドーロまで。まあ競馬の事だから歩く馬は一頭もいねえ。念には念を入れて、4枠、6枠にも流す。本線5ー7が3万。抑えゾロ目の7ー7が1万。元返しの抑え4ー7、6ー7が各5千。ダート1000の義政は鬼だ。俺からのユー達へのお中元だと思ってくれ」と一気にまくし立てた。

植木等のように、そのうち何とかなるだろう〜ではダチカンゾ。
城戸J!マスターの名誉の為にもぶっちぎってくださいませだ!