北新地競馬交友録

ビラブル

『SUITS/スーツ』と云うUSAのテレビドラマが面白い。
舞台はNY・マンハッタンの法律事務所。
イケメン&キュートな弁護士達が、オサレな服に身を包み縦横無尽に活躍する物語だ。
訴訟あり、恋あり、社内抗争ありの盛りだくさん。
TSUTAYAでもこの2月にseason5がリリースされ大ヒットを飛ばしている。
そのseason5で、やたら多用されるワードが『ビラブル』
はてさて、何の事かと調べてみると、依頼者に請求する料金の事で、「これだけの時間頑張りましたよ。だからお金を頂戴な」『ピラブルアワー』とも云われている。
USAでは、これが社の規定に達していなければ、減給やリストラの憂き目に合う事になる。
ウルトラエリート達も、決して楽ではないのは、我がJAPANもUSAも変わりがないのだが……..。

「マニーはからきしねえけど、時間ならナンボでもある」と豪語するマスター。
競馬に費やす時間は、月曜日〜水曜日で各3時間〜。
木曜日〜日曜日は6時間〜を下らない勤勉ぶりだ。
週初めは前の週の全レースをチェック、水曜日は想定&調教、木曜日の出走確定、金曜日の枠順発表から土日の競馬へとなだれ込むのが一年365日変わる事のない流れである。
金曜日、いの一番にする事は、競馬新聞をざっと見て「こりゃ〜何が来るか判らねえ」と思われるレースに赤ペンで大きく×印で排除。
とにかく軸がしっかりした馬がいるレースにメッコを入れ、枠順、展開、騎手を確認の上絞り込み、更に馬券の種類を考える。

1日、大概が1レースで多い時でも2レースまで。
赤貧洗い熊ラスカル君、あやふやなレースに突っ込む原資がないので、それこそ必死のパッチなのである(≧∇≦)
「俺ぁ〜余裕がねえから、競馬を楽しむなんて贅沢は出来ねえんだ。リンダ山本の『狙い撃ち』しなきゃ〜あっと云う間に引退勧告を受ける事にならぁね」が口癖。
先週の土曜、そんなマスターが選んだレースは、「阪神2R馬連の軸ジェントル幸のテイエムグッドマンから、英彦のオニダツ、良太のコレエに各1万。善臣大先生のメイショウヤエヤマに7千、初ダート翼のスズカブラックに3千でご機嫌伺いすっか」だったのだが……。

「マスター!テイエムグッドマンとオニダツの馬連ですが2倍しか付きませんよ。トリガミ確定ですね」
金曜日の夜、店での恒例馬券検討会で、某外資系商社勤務のY君から指摘されて、「え〜!マジカル?ナンボ何でもそりゃねえだろ。だってよ〜テイエムグッドマンはど鉄板だがオニダツの新馬戦は6番人気、5番人気、4番人気で決まって3連単が12万超え。2着たってレベルが高いとはいえま〜が。オコエとタメだぜタメ」
「テイエムグッドマンの単勝が1.4倍、オニダツが3.6倍です。因みにオコエじゃありませんコエレですよ。オコエは楽天の野球選手です」
「へいへい。しかし馬連本線が走る前から取って損はさすがにマジィわな。作戦変更と行きてえところだが……….買い方が………。3連系に切り替えるのも手だが……..ありゃ〜スズカブラックが絡まなきゃ、どれが来ても全然儲からねえじゃん」

マスター、3連系は取って損があっても全然構わないと云うよりも、網を広げてドワ〜とぶん投げ、ド高目が来たら万歳三唱。安目でも元金がゼロになる訳じゃない。
オッズを見て目を絞るのは愚か者の所業と決めつけているんだから、このレースでは買う事が出来ない。
「あ〜あ。嫌んなっちゃったぜ。もう随分顧問弁護士さんからゴチになってお頭がフラフラだから、今更別のレースに変えるったって、考えも纏まんねえ〜しな〜」と思案ロッポウ北新地午後11時過ぎ。
頭を抱えてもどうする事もナッシングだ。

マンハッタンのエリート達は、ビラブルでウハウハだが…….馬券愛好家はかけた時間と結果が比例しないのは万度なのである(~_~;)

皆様、お付き合いありがとうございました。
明日に続きます。