北新地競馬交友録

騎虎の勢

及周宣帝崩
高祖居禁中 總百揆
后使人謂高祖曰 大事已然
騎獸之勢 必不得下
勉之

Chinaの『隋書』独孤皇后伝が出典である。
唐の高祖李淵の祖父のいなみが虎であったため獸となっているが、現代では『騎虎の勢』との表現が一般的だ。
「虎の背に乗った者は途中で降りると虎に食われてしまうので、降りるに降りられないし、行きがかり上途中でやめられない」
との意味である。

選挙公約を大統領令で次々に実行に移すトランプおじさん。
ここ数日でマスコミを1番賑わせているのが、中東・アフリカ7カ国からの入国制限だが、これに反対したイェーツ米司法長官代行は一瞬で首を切られ、記者会見で涙を流しながら抗議した民主党上院トップのシューマー院内総務などは、「うそ泣きだ」と鼻でせせら笑われているのだから、無敵マリオ状態だ(≧∇≦)

これに関しては世界中から非難GOGOレッツゴーで、特別な関係と秋波を送ったイギリスなどは「おじさんはイギリスに来るな!」と、あっと云う間に160万人もの署名が集まっている。
少しは悄気るのかと思いきや、なんのなんの南野陽子で、「アメリカ国民の利益を考えて、約束を果たしているだけだ」と意気軒昂だ。
経済界では、世界中の優秀な人的資源に頼るIT業界は、「スワ!一大事」と反対をいち早く表明し、「頑張れよ!」と肩を叩かれている自動車メーカーからも、「勘弁してください」と泣きが入っている。

バット!直近の世論調査では、入国制限を支持するアメリカンの方が若干優勢だ。
もっとも、たった一つの調査で1201人の回答なので、これが民意を反映しているかどうか、まだ判断するのは早計かも知れないが…………。
経済政策に関しては、経済学者に云われるまでなく、云っている事の辻褄が合わず、いい結果が出るストーリーがイメージ出来ないが、当選させてしまったんだから仕方があるまい。
まさに『騎虎の勢』で身を任せるしかないUSA。
トランプおじさんは、信頼に応えようと、大真面目に突き進んでいるのである。

「明日はよ〜、竜二に借りを返して貰うつもりよ。なんせ先週の『東海S』アスカノロマンで下手を打たれて、えれぇ目に遭わされたからよ〜。狙いはズバリ京都3Rのミヤジユウダイだ。まずは枠連で8枠から、克駿のクレイトンシチーとコバテツ先輩のウイングオーシャンの同居する2枠に1万。豊大明神のボナパルトの3枠に9千。3連単フォーメーション、1列目、2列目に竜二のミヤジユウダイ、コバテツ先輩のウイングオーシャン、豊大明神のボナパルトの3頭。3列目にその3頭プラス、謙一のメイショウスイグン、克駿のクレイトンシチー、稜のナムラヘラクレス3頭を足して6頭で一目5百の24点張り。締めて3万1千でいてこます。京都の1800ダートは、内の先行馬が有利で、大外は厄だが剛腕竜二が、アスカノロマンと同じ川村厩舎のミヤジユウダイで、先週の罪滅ぼしに頑張るだろう」とマスター結論付けたのだが……。

「ボナパルト逃げる!押してミヤジユウダイ2番手まで押し上げた!残り400を通過!」
「竜二!行け!押せ!押しまくれ!」
スタートで少し安目を売ったミヤジユウダイが武豊Jのボナパルトに並びかけるが、手応えがどうにも怪しい。
「4コーナーから直線!ボナパルト振り切った!3馬身!4馬身!ウイングオーシャンが2番手!ミヤジユウダイは苦しいか!」
「頼む!竜二!3着でもいい!残してくれ!りゅうじ〜!」半べそをかきながら声援を送るも。
「先頭ボナパルト!ウイングオーシャンが迫る!ボナパルト!ウイングオーシャン!ボナパルト!ウイングオーシャン!2頭並んでゴールイン!3着争いはミヤジユウダイか?リテラルホースか!」

1着 ボナパルト 豊大明神
2着 ウイングオーシャン コバテツ先輩
3着 リテラルホース 岡田J
4着 ミヤジユウダイ 和田J
枠連はとっくの父さんで諦めていたが、3連単で少しでも返ってくればの期待も虚しく、また、また、馬券が鼻もかめないゴミと化した(~_~;)
「マスターさん、和田Jも無理に競りかけなけりゃ〜3着はありましたね」熊本天草出身の◯原さんに慰められても、無言でため息を付くばかりのマスター。
「竜二は一生懸命乗ってるよ。俺が競馬に向いてねえのかも」と小さく呟いたと云うのだから、悲惨ここに極まれりである。

トランプおじさんには、あんまり信頼に応えて欲しくはないが、和田Jには何とか信頼に応えて欲しかったのである。
マスター、今週は競馬やるんだろうか?