北新地競馬交友録

ちぐはぐ

スムーズに事が運ばない時に使う言葉『ちぐはぐ』
「あ〜やんなっちゃうぜ。お客さんが一杯の時に限って、空いてる?バット!仰け反るぐれえガラガラの時は誰も来てくんねんだもんな〜。競馬で云や〜後方のまま馬場掃除しながらゴールしてるようなもんよ。ちぐはぐったらありゃしねえ」といい泣きが入っているマスター。
お客様の都合と気分次第と判っていても、たまにガックシ来る事もあるようだ。

その『ちぐはぐ』の語源だが、鎌倉時代に金づちを「ちぐ(鎮具)」と呼び、釘抜きを「はぐ(破具)」と呼んでいたそうな。
板に釘を打つとき、金づちと釘抜きを交互に使う、打っては抜いての繰り返しでは、仕事は一向に進まないと云う事らしい。
マスター、身過ぎ世過ぎの稼業がちぐはぐな上に、どうやら競馬でもちぐはぐなようで……….。

「4コーナーから直線!粘るアドマイヤシャイ!じりじりと迫るオールマンリバー!200を切った!3番手はオーケンゴールド!粘る!粘るアドマイヤシャイ!」
絶望的な位置からキングカヌヌが突っ込んで来るのがモニターの右端に写っている。
「雄太!差せ!差せ!差せ!いてこませ!」
「追い詰めるオールマンリバー!しかしアドマイヤシャイがしぶとい!抑えて逃げ切りゴールイン!2着オールマンリバー!3着争いは大接戦」
「だ!ダメだ!4着だ」と悲痛な声を絞り出すように発したマスター。
24万8千円が鼻もかめないゴミと化したのは、9月10日阪神『鳥取特別』

マスター、熊本天草出身◯原さん、競馬友達K君の3人で、中谷Jのレースで儲けようと5万円の元手でスタートした『雄太貯金』
100万越えを目指したレースで残念無念の結果に神戸元町ウインズでしゃがみ込んだのを忘れるはずはない。
そのキングカヌヌが休み明けで土曜日の中京メイン『浜名湖特別』に出るのを知ったのは今週月曜日の事である。
それから5日間も悩みに悩んだマスター。
シェークスピアのハムレットじゃないが、買うべきか、買わざるべきかそれが問題だで、馬券名人の呼び声も高い、京都馬主協会会員N君にお伺いを立てるも「力はありますが……」

「え〜い!あれこれ悩んでも仕方ねえ。雄太に直接聞いてみっか」で繋ぎを入れた。
「とにかく乗り難しい馬なんで、何とも云えません。全力で頑張ります」の返事に完全にブルってしまった。
「無理して買う事ぁねえか。一度ある事は2度ある。またアッチッチのひろみ郷になったら起き上がれねえもんな」と見送る事にしたのに……..。
「間を突いてオールマンリバー!キングカヌヌが先頭か!オールマンリバー!キングカヌヌを交わした!内からはランドオザリール!追い込んで来るスルターナ!オールマンリバー抜けた!2番手キングカヌヌ!オールマンリバー!ゴールイン」
ここでは力が一枚も二枚も上と思っていたオールマンリバーとキングカヌヌのワイドが310円も付いた(≧∇≦)
更にオマケで最終の『豊川特別』ではプルメリアスターがハナ差凌いでの1着だ。

「マスターさん、中谷J大活躍ですね。明日はどうします?『名古屋日刊スポーツ杯』のタイセイサミットは抜けてると思うんですが」
「そんな事ぁおめーさんに云われなくても判ってるよ。買うよ!これ以上芋引いてられっか。どうせ1番人気だろう。他の8頭はどんぐりの背比べで何が来てもおかしくねえから単勝だ。◯原さん『雄太貯金』幾ら残ってる?」
「87万4百円です」
「よっしゃ!よっしゃの角栄さんよ。タイセイサミットの単勝に7万と4百。勝負掛けちゃる」との宣言だ。

これ以上ちぐはぐな事が起こりませんように。
中谷J!ガンガレ(^O^)/