北新地競馬交友録

雨よふれ!

『雨の慕情』 by 亜紀八代

心が忘れたあのひとも
膝が重さを覚えてる
長い月日が膝まくら
煙草プカリとふかしてた
憎い 恋しい 憎い 恋しい
めぐりめぐって 今は恋しい

雨々ふれふれ もっとふれ
私のいい人つれて来い
雨々ふれふれ もっとふれ
私のいい人つれて来い

「マスターさん!今日の京都2Rおめでとうございました」と熊本天草出身◯原さん。
「当然だろ。ダート1番人気のルメールなんて要らねえと思ってたんだ。2万5千買って11万9千か。平に2万5千づつ買ゃ〜30万をチョイ切るぐれぇの配当にありつけたのによ〜。あ〜あ俺はマジカル根性がねえ。学を見習わなくっちゃ〜」
「展開は全然違いましたけどね」と競馬友達のK君。
「なんだ〜!この野郎!俺にあや付けんのか。あったま来るな〜(`_´)ゞ。そこへ直れ!成敗してくれようぞ」
「はは〜!お屋形様、ご勘弁のほど」
「いや、許さぬ、直れ!直れ」
終わってからなら何とでも云えるのが競馬。
K君にdisられても、先週の負けを一発で取り返してマスターご機嫌である。

「乗ってるところで明日の『ジャパンカップ』の予想をお願いします」
「うむ、今年の『ジャパンカップ』は俺の自信作になりそうだ。月曜日から延べ15時間以上は勉強したからよ。大体が日曜日の朝に新聞買って、チョコチョコっと馬柱を見て当てようなんて性根が間違ってる。そったら事で当たるなら、誰も苦労はしねよ」いきなり『脱線ゲーム』のマスター。
「はい、はい。でどうするんですか?」
「府中の2400、普通なら1番怖ぇのは外枠に回ったがムーアのリアルスティール。バット!予報は雨だぜ!雨。万が一レースの時は降らなくても馬場が緩くなったら、自慢の差し脚を割り引いてもいいと思う。軸は当然、豊大明神のキタサンブラックだ。稍重は『メイクデビュー』と『宝塚記念』の二回しか走った事はねえがしぶとい!もう一頭馬場が緩くなって怖えのはゴールドアクターよ。デビューから稍重と重のレースを4戦確認したが、脚に水掻きが付いてんじゃねえかと云うぐれぇ苦にしねえ。枠も3番だが2枠ならまず文句なし。玉砕的逃げを打つ馬がいなきゃ、楽にハナを切ったキタサンブラックに早めに並び掛けての叩き合いになるのがハッキリ見える」

「じゃあ、お得意のその二頭のワイドですか?」
「競馬舐めたらダチカンゾ!そったら簡単なもんじゃねえ。豊大明神と隼が潰し合いになった場合。ムーアのリアルスティールが外目を口笛吹きながら突き抜ける可能性もある。もっとも競られても大崩れのない、ど根性キタサンブラックが3着以下に落ちたら、会期を延長した国会で問題になるだろう。まずはキタサンブラックの複勝を10万。3連単、1着、2着、3着にキタサンブラック、ゴールドアクター、リアルスティールを入れて、3着に内から馬体が戻れば府中の鬼、圭太の紅一点ルージュバック、汚名挽回3歳代表、正義のディーマジェスティー、大舞台ならお任せ、デムーロのサウンズオブアース、芝中距離の神、ルメールのレインボーライン、え〜いオマケだ!スタミナ抜群、プリンスのシュヴァルグランも入れるか。◯原さん何点だ?」
「36点です」

「よっしゃ!よっしゃ!の角栄さんよ。一目2千5百で9万。逃げ切って欲しい豊大明神キタサンブラックの単勝を願掛けで1万買って締めて20万。ふたズグで渾身の勝負を掛ける。◯原さん!小汚いマンションのベランダに、てるてる坊主を逆さにぶら下げとけ。とにかく雨だ!雨が欲しいんだ。亜紀ちゃんも、北島三郎さんには随分世話になったはずよ。傘持って、東京競馬場で雨乞いソングを唄って貰おう!」と結論付けた。
一杯千円のビールを土下座して飲んでもらうのが凌ぎのマスター。
赤貧洗うが如し懐から、虎の子20万円勝負だ。
これがハズレればLAWSONの法被にアイロンを掛けるしかない(~_~;)

武豊J!宜しくお願い申し上げまス!