北新地競馬交友録

栄冠を頂くのは

「ワー!ウォー!くまちゃん頑張れ!いてこませ!」
マスターの必死の声援にも関わらず、『大相撲九州場所 11日目』ご贔屓の高安関が横綱白鵬関に負けた。
高安関はお父さんが日本人、お母さんがフィリピン人のハーフ。
全身、虫が住めるぐらい毛に覆われているところから、くまちゃんと呼ばれている。
(もっともそう呼んでいるのはマスターだけだが 笑)
11日目は全勝の横綱鶴竜関が大関稀勢の里関に負けて土がつき、横綱日馬富士関、新入幕の石浦関とともに1敗で並び、二敗には横綱白鵬関、大関稀勢の里関が並ぶ大混戦の様相を呈している。

「何だか相撲も面白くねえよな。優勝争いがもつれてるが、これ!って芯になる力士がいねえのはいただけねえよ。古くは『巨人、大鵬、卵焼き』柔の大鵬に対して剛の柏戸。ライバルが雌雄を決する構図があると盛り上がんだよ。その後も北の富士―玉の海、北の湖―輪島、そして平成に入ってからは貴乃花―曙なんぞも面白かった。鶴竜?そったら横綱いてたのか?てなもんよ」
マスターの意見にも一理ある。
もっともライバルがいてこそなのは大相撲だけじゃない。

「マスターさん!リーディング争いがえらい事になってますね。逃げ切り濃厚かと思えた戸崎JをルメールJが猛追。ついにその差が3勝になってしまいました」と熊本天草出身◯原さんがアイホンを見ながら話しているのは、日曜日の競馬が終わった後の反省会。
三宮のちぃとばかしオサレなイタリアンバルである。
「もう台湾料理は食い飽きた。軽くワインでもシバキに行くか」
「私、ジャンパーなんですけど大丈夫ですか?」
「上等!上等!それと◯原さん最近はジャンパーなんて云わねえよ。ブルゾンだ!ブルゾン」
「……………」
スポンサーであるマスターが云えば嫌も応もない。

「今週は仲良く3勝づつだが、圭太の野郎は取りこぼしが多いからな〜。ダートは信頼できっけど、芝になるとからきしで、たまに信じられねえぐれえのポカをすっからよ〜、しかもグリグリの1番人気でな。その点ルメールはと云いてえところだが、芝のレースは神でもダートの追い比べになると、最後は力負けしやがる。帯に短し襷に長しってところか」
「戸崎Jは乗鞍が632鞍、対するルメールJは518鞍。断然戸崎Jの方が乗ってますね」と競馬友達のK君。
「それよ!それそれ。でな、勝率は圭太が0.190、ルメールが0.233。連対率と複勝率はほぼタメだが、ルメールの複勝率が0.499てんだから、いや〜びっくりたまげた驚いた。これじゃ〜ルメールの馬券買わない奴は馬鹿って事になんじゃんか」

「簡単な馬券術ですね」
「バット!こちとら、そこいらの駆け出しじゃねえんだ。ルメールがいくら来るったって、なんでんかんでんルメールじゃ、俺の馬券師としての矜持が許さねえよ。ここは一捻りしてだな。圭太の場合は芝、ルメールの場合はダート。どうせ過剰人気すっから、1番人気で吹っ飛びそうなレースを見っけて豊大明神、博幸、裕信、竜二辺りにはっつけるのがいいんじゃねえか」
「柴田大知Jも50勝してますよ」
「馬鹿野郎!俺の前で大知の話しはすんじゃねえ」
「はい、はい、すいませんでしたね〜」

少し気の効いた競馬ファンなら、誰でも知っている事に熱弁を奮うマスターは実に平和だ(~_~;)
まあ、間違いじゃないのは確かではあるが…….馬鹿丸出しである。
『大相撲九州場所』は抜けた存在がいず大混戦だが、JRAのリーディング争いは、戸崎JとルメールJに絞られた。
さて、栄冠を頂くのはどっちだ(≧∇≦)

マスター!講釈はいいから馬券当てろ!
あんた先週当たりゼロだろが(笑)

皆様、お付き合いありがとうございました。
いよいよ松本伊代で『ジャパンカップ』がやって来ます。
馬はもとより、ジョッキーの質から云っても楽しみなレースとなりそうです。
皆んなで当てましょう!