北新地競馬交友録

ホットライン

NHKで国会中継が放送されている。
平日である。
お昼である。
普通の人は働いているのである。
「マニーはねえけど、時間なら叩き売るほどあるぜ!」貧しい自慢のマスターは、読書をしながら音声を聞いて、たまに横目で画面を見ている。
一言で云えば、あんないい加減な答弁が許されていいのか?良かない!( ̄(工) ̄)
『信念の味』神田川俊郎の『神田川』が北新地の名店ならば、『信念の政治家』我らが安倍ちゃんの答弁は残念ながらかなり寒い。
あれを見ていると、結局、薬局、郵便局で、この国の大切な事の是非を問う投票は国会でなされても、違うところで全て決まっているのがミエミエ!中尾ミエなのである。
日曜日の世論調査では、安部ちゃんの支持率が大幅に下がったが、今一度、褌を締め直して頑張って欲しいものである。

我がJAPANに安部ちゃんあらば、USAにはオバマさんがいる。
その能力には2期目を迎えて疑問符が付けられているが、なんのなんの南野陽子。
USAの景気を確実に回復させたし、何より弱腰外交と馬鹿にされているが、キューバとの国交回復を1961年国交断絶以来54年ぶりに実現した。
故ジョン•F•ケネディ大統領が、直面した『キューバ危機』
核戦争の一歩手前で、世界が恐怖に慄いた。
USAケネディVSソ連フルシチョフとの虚々実々の駆け引きは、書物でもシネマでもこれでもか、これでもかと云うぐらい取り上げられている。
暗号を使い、領事館を介したやり取りは、ニャンと!6時間を要したのだから、待つ身はお互いジリジリと身を焦がす思いだった事は想像に難くない。
『キューバ危機』が回避された後の1963年8月30日、あんなまどろっこしい事やってられっか!アメリカ合衆国(ホワイトハウス)とソビエト連邦(クレムリン)との間に直通回線が開設された。
それが、その後各国間で設置されるホットラインの始まりである。

「マスターどうですか?」
日頃から贔屓にしている中谷Jからマスターの携帯に連絡があったのは、週半ばの事。
「どうも、こうもねえよ。せっかく雄太が頑張ってんのに、俺がチョイスしたレースでは馬券にならず、さすがにねえよ!と見切ったレースで突っ込んで来んだもん。テレコテレコ、日本テレコム。も〜フラフラだ」
「京都馬主協会のお偉いさんから、マスターがかなり参ってると聞いてます。しっかり馬券当ててくださいよ!」
「…………どもならん。全く持ってどもならん」マスターにいい泣きが入っている。

「雄太よ〜、ほんで今週はどうない?かなり乗鞍がありそうだけど、鼻歌唄いながらでも勝てる馬いねえの?」
「そんな馬はいてませんよ(苦笑)
乗せてくださる、馬主さん、調教師の先生、厩務員さん、馬券を買ってくださるファンの皆さんに、少しでも喜んで貰えるように、全力で乗るだけです」
「そったら優等生みてえな答えは聞きたくねえんだよ。とにかく馬券になる馬を教えてくれ。こっちとら切羽詰まってんだ!」
5万円からスタートした『雄太貯金』、先々週までは50万円を突破して、そっくり返っていたが、先週7万4千円も張り流したマスター。
馬券になる馬を聞き出そうと必死のパチッチなのである。

「とても楽しみにしている馬はいますよ。土曜日小倉10R『かささぎ賞』のキングハートです。未勝利で勝った時も強かったですし、3走ぶりに乗りますから。どちらにしてもどの馬も全力投球!頑張りますが、キングハートには注目してください。では!」
話しの内容は、競馬予想誌やスポーツ新聞に載っているコメントと何の差もないどころか、それ以下かも知れない。
バット!ホットラインなのである。
中谷J直接なのである。
これは大きい。

「かなり自信があるらしい」
「3着以内なら鉄板」
「雄太が担いでも来る」
「播州信用金庫からマニー借りても買わなきゃ後悔する」
夜の帳が降りて、お客様から勧められた、ワインやシャンパンをゴチになるにつれて、発言がどんどんヒートアップするマスター。
重ねて云う、「どの馬も全力投球!頑張りますが、キングハートには注目してください」としか中谷Jは云ってないのである(≧∇≦)
「キングハートを買わない奴は馬鹿!」とまで云い切ったマスター。
…………そこま云うか〜………ホットライン恐るべし!

お話しの続きは明日です。
皆様、お付き合い宜しくお願い申し上げます。