北新地競馬交友録

反乱

評論家の大宅壮一が、「テレビというメディアは非常に低俗なものであり、テレビばかり見ていると、人間の想像力や思考力を低下させ一億総白痴化になる」と云ったのは約50年前である。
確かに名前すらしらないお笑いタレントがはしゃぐ、金太郎飴のような番組の洪水を見ていると、さもありなんと頷かざるを得ない。
NEWS番組にしてからが、ともすれば偏向報道や、デバガメ的興味を煽る内容に終始している。
視聴率と云う絶対的な価値基準の前には、民放はなす術がないのである。

一方、国民から徴収した原資で運営されているNHKは、「お!こりゃ勉強になるね」なんて番組がある。
この日曜日『真田丸』の後に放送された『NHKスペシャル 司馬遼太郎思索紀行 この国のかたち“』は大変興味深く見れた。
今回のテーマは、“武士”。
司馬遼太郎によると、鎌倉時代に培われた武士の真髄は、私欲を恥とし、他者に尽くす“名こそ惜しけれ”の精神で、武家政権の拡大とともに全国に浸透、明治国家という奇跡を生み出す原動力になったと云う内容だ。

NHKはケーブルテレビでも歴史番組に力を入れている。
中でも『英雄達の選択』は秀逸である。
民放も地上波は、見る価値のない番組だらけだが、ケーブルテレビではそれなりに健闘している。
歴史関連の番組では、『片岡愛之助の解明!歴史捜査』、『にっぽん !歴史鑑定』、『歴史列伝〜そして傑作が生まれた〜』なども、一風変わった切り口で悪くない。

そんな番組の中で、先日取り上げられていたのが『島原の乱』
天草四郎時貞に率いられた、キリスト教徒や、圧政に苦しむ農民が、廃城であった原城に籠り、12万を越える幕府の軍勢とガチンコ勝負を繰り広げる。
闘いは熾烈を極め、幕府軍の大将板倉重昌は鉄砲で撃ち殺された。
それに慌てた幕府軍は更に軍勢を強化、最後には3万7千の一揆勢は、女、子供に至るまで全員殺されてしまうのであるが、何故、そんな絶望的な闘いを行ったのか?
いや絶望的ではなかった!ポルトガルからの援軍を待ち続けていたのだ。
そんな内容である。
『島原の乱』は、江戸時代お上に逆らった最大規模の反乱であったのだ。

『雄太貯金』の創設者であり、絶対君主とでも云うべきマスターの読みがハズレまくっている。
とどめは土曜日小倉9Rローザズカレッジの複勝に張り付けた5万4千円が、跡形もなく溶けた(≧∇≦)
「雄太も何やってんだかね〜。ビシッと!性根入れて捲ってりゃ3着はあったのによ〜。な〜◯原さん!」
「…………………….」
常日頃は、「マスターさん、マスターさん」と云って、子犬、いや老犬のようにまとわり付いているのに、完全にシカトを決め込んでいるんだから大問題である。

「マスター、相談があるんですが」
「なんない?マニーならねえぞ、先週コテンパン太郎にやられて、こっちとらフラフラよ」
「そうじゃないんです。日曜日の小倉3Rの買い目を提案させて貰いたいんです」と土曜日の深夜1時を回った頃に、競馬友達K君からいきなり連絡があった。
一瞬!ムッと来たマスターだが、キッパリと云い切ったその口調に並々ならぬ決意を感じて、「いいんじゃね〜の。俺ぁ〜てんで当たんねえもん。君に任すよ。好きにしてくれ」
「悪く取らないでください。マスターにたまにはラクしていただこうかと思いまして」
反乱である!

「中谷Jのジーブリーズ。中山のメイクデビュー1600は少し距離が長かったんじゃないかと。1200への距離短縮、調教も抜群に動いてます。中谷Jも自厩舎とも云える矢作厩舎の馬に乗ったら結果出してますから。枠も1枠2番いいところを引きましたし」
「複勝が1.4ー1.8か。何とかなるだろ」
「いえ、馬連でジーブリーズを軸に、内からショーナンマシュリ、クールマギー、ティノ、タガノフォルトゥナの4頭に」
思わず、「馬鹿野郎!そんな危ねえ馬券買うんじゃねえ!」と云いかけたマスターだが、ぐっと堪えて「ラジャ。でナンボづつ?」
「5千円づつの4点で。1番安いクールマギーとで8倍。高目のタガノフォルトゥナとで14倍です。いいですか?」
いいも悪いもない。
反乱なのである!

いきなりスタートで安目を売ったジーブリーズ。
向こう正面でも引っかかって、中谷Jが必死でなだめる大ピンチ。
「残り200を切ってショウナンマシュリとファインキャプテンが競り合うかたち、外目からタガノフォルトゥナも追い込んでくる!そしてレパーズタウンの内から2番のジーブリーズが突っ込んで来た!」
内を捌いて中谷Jが渾身の追い。
「中谷!中谷!差せ!差してくれ!」K君が必死で声援を送る、神戸元町ウインズ午前11時前。
「ショウナンマシュリ先頭!ファインキャプテンにジーブリーズ!ショウナンマシュリ!ショウナンマシュリ!2着はファインキャプテンとジーブリーズが並んでゴール」
鬼脚で突っ込んだジーブリーズだが、スローで確認するまでもなく分が悪い( ̄(工) ̄)
結局、薬局、郵便局で残念無念の3着。
K君がチョイスした馬連はただの紙っ切れと化した。

「マスターすいません。いつものように複勝を買っていたら当たりでした」
「仕方あんめい。鼻差なんて誰も判らねえよ」と慰めの言葉を掛けるマスター。
ここで厳しい事を云うと死に物狂いの反撃を受けて、『島原の乱』の板倉重昌じゃないが、とんでもない事態に陥る可能性がある。
反乱なのである!
土日で7万4千円が、あっと云う間に溶けた。
この窮地を救うのはやはりマスターしかいまい。
来週はなんとかせい!

皆様、お付き合いありがとうございました。
明日はメイン『京都記念』のお話しです。
先に云っときますね。
またハズレます。
キャー!∑(゚Д゚)