北新地競馬交友録

元の木阿弥

ことわざが大好きなマスター。
普段の会話でも多発するが、意味や使い方は判っても、どんな故事に由来するかは、まるで知らないのが大多数。
昨今は、アイホンの普及で、ググれば一発回答だ。
別に知ったからと云って、何の得になる訳でもないが、知的好奇心が大いに満たされる。
ボケ防止にも最適だ。

『元の木阿弥』
いったんよくなったものが、再びもとの状態に戻ること。

戦国時代の武将筒井順昭が病死した時、死を隠すために、その子順慶が成人するまで、影武者として声の似ていた木阿弥という男を寝所に寝かせて、あたかも生きているかのように振舞わさせた。
順慶が成人するや順昭の喪を公表したために、木阿弥は再びもとの身分にもどったという故事に由来する。

今週の土日、その『元の木阿弥』を地で行く事態に陥ったのが、ご存知中谷Jでお金を増やそうプロジェクト『雄太貯金』だ。

「マスター、今週は中谷Jなかなか乗鞍が集まりましたね」
「そうよ〜!『net Keiba』のインタビューでも大きく取り上げられたしよ。こらまでの努力が認められて来たのは嬉しい限りだ」
「で、狙い馬はなんですか?」
「土日で合計8鞍だが、馬券になるであろう馬は3頭。土曜日のインプレショニスト、オトコギマサムネ、日曜日のアースコネクター。中でもアースコネクターは勝ち切れると思う。本来ならオトコギマサムネにドカンと行きたいところよ。バット!木曜日に京都馬主協会おえらいさんのオーナーと直接話したんだが、雨がからっきし。天気予報とにらめっこして土曜日の平場回りにしたそうな。どうにも弱気で…………」

『土曜日、福島7R 芝2600 インプレショニスト』
「おい!おい!もう手が動いてるぜ。こりゃ〜寒い」
2周目の向こう正面で、ハッキリ手応えが怪しくなっている。
それでも最後の直線、渾身の追いで4番手まで押し上げるも、最後は力尽きての8着。
「だ、ダメだ〜(~_~;)」
複勝に10000円賭けるもアウト。

『土曜日、福島9R 芝1200 オトコギマサムネ』
「マスターさん、たった1万円ですか?しかも複勝に、この前は7万張って勝負掛けたのに」
「○原さんよ〜、そりゃ俺だってドカンと行きてえのは山々ヤマンバよ。バット!馬場が悪る過ぎる。条件が良くないのに無理してアッチッチじゃシャレなんないじゃんか」

「4コーナーを回って大外からオトコギマサムネ!」
「おりゃ!伸びろ!伸びろってんだ!」マスター絶叫するも……。
スタート直後から「僕は雨は嫌いなんだ。泥が苦手でさ〜」
中谷Jが必死で気合を付けるもなかなかヤル気が出ないようで。
「お坊っちゃまだからしょうがねえよ。これで人気が下がりゃ〜、次走は播州信用金庫からマニー借りてでもぶっ込んでやる!」
複勝に10000円賭けるもアウト。

『日曜日、福島6R ダート1700 アースコネクター』
「マスターさん、『雄太貯金』が10万円になってしまいました。一時は17万円あったのに(≧∇≦)」
ケロケロケロッピー、ケロロ軍曹の手帳を悲しそうに見る○原さん。
「そんな情けねえ顔すんじゃねえよ。このレースは絶対の自信がある。アースコネクター!いい仕事してますね〜てなもんよ。○原さんオッズプリーズ」
「単勝3.8複勝1.4ー1.9です」

「う〜ん」と唸ったままで、競馬新聞を穴の空くぐらい睨みつけたマスターの結論は………….。
『雄太貯金』が基礎基金5万円に逆戻り。
それこそ『元の木阿弥』になるお話しはまた明日です。
皆様、お付き合いありがとうございました。