北新地競馬交友録

likeable

50の齢を過ぎてから、何故か英会話に目覚めたマスター。
○ピードランニングはイマイチ効果が薄いとの話しを聞いて、もっぱらUSAのシネマを字幕無しで見ている。
そんなシネマの中で結構使われる言葉が「You are very likeable」
日本語に訳せば「お前はとてもいい奴だ」と云う意味。
USAの『likeable』のニュアンスを的確に表す日本語は、どうにも思い浮かばないんだが、友情に厚いとか、信義を重んじるとか、筋を通すと云う所か。
競馬のジョッキーの中にも『likeable』はいる。

「何でえ!何でえ!新潟ばっか見てたら、淀は外人ジョッキーの草刈り場になってんじゃん。イタリアの至宝デムーロはいい奴だけど、これだけコケにされたら、さすがにアタマ来ちゃうぜ!もっとも腕はワールドクラス、先週は出遅れ多発でスランプかと世間の雀がうるさかったが、俺はちっともそうは思わなかった。ゴルフで云うならば軽いシャンク癖てなもんよ。直ぐに修正が効かあな」
「マスターさん、シャンクって何ですか?」
産まれてから、一度もゴルフをやった事がない○原さん、ついでにK君も首を傾げている。

「あ〜やだね〜、これだからボンビーピーポーは。ゴルフのアイアンでヒットする位置が悪くて、思った所に飛んで行かねえんだ。これが不思議と癖になるんだな。その昔、俺もシャンクを連発してえれえ目に合った事があんのよ。バット!仮にも世界のデムーロだぜ。今週は気合い入ってるのは間違いねえと思ってた!」
メインの『秋華賞』をむかえるまで、1着5回、2着2回。
8回走って7回連に絡んでいるんだから、手が付けられない。
以前、デムーロJと話す機会があったマスター。
「全く持ってフレンドリーでよ。一生懸命日本語で話そうとしてんのよ。あんないい奴いねえよ」絶賛なんだが………。
イタリアのいい奴には、日本のいい奴しか対抗できないと………。

「雄太と友一を連れて、祐介の見舞いに行ったら、たまたま浜中が嫁と子供連れて見舞いに来ててな〜。ええ奴やな〜」
その話しを京都馬主協会のおえらいさんから、マスターが聞いたのは『秋華賞』の週の木曜日。
「そうですか。マジカル!スグルちゃんはいい奴ですね。雄太の100勝のプラカードも、1人で持ってましたもん。私ごときでもフレンドリーに話してくれますしね」
「ホンマええ奴やな〜」

『雄太貯金倍増週間』
新潟のレースを買うだけで精一杯。
とても淀まで手が回らないとレースを「見てるだけ〜」
それまで一銭も馬券には手を出していなかったが、プチナショナリズムに火が付いた。
「ミッキークイーンの単勝を買う。1番怖いのはルメールのタッチングスピーチだが、デムーロのクィーンズリングも今日のリズムを見ていたら怖い。もっとも限りある原資で1万だけだけどよ」

「4コーナを回ってさ〜直線。ミッキークイーンは5.6番手。手応えはどうか?抜けた!抜けた!クイーンズリングが追い詰める」
好位から先頭に踊りでた浜中Jのミッキークイーンに、クイーンズリングが迫る。
「スグル!スグル!そのままだ〜!」
いいレースだった。
日伊、『いい奴対決』は浜中Jに軍配が上がった。
1万円が3万円になった事はもちろん嬉しいが、日本男児の意地を浜中Jが見せてくれた事に感動したマスター。
「よ!スグル!日本一!」

そして新潟最終、中谷J騎乗『鳥屋野特別』オトコギマサムネの大一番をむかえるんだが……..。
神戸元町ウインズにマスター、K君、○原さんが集合した日曜日の午前中。
マスターから意味不明の宣言があった。
「今日はゴリさんで行く」
「?????」
そのお話しはまた明日です。
皆様、お付き合い宜しくお願い申し上げます。