北新地競馬交友録

雄太貯金 その3

月曜日のノーベル医学生理学賞の大村智北里大学名誉教授に続いて、火曜日にはノーベル物理学賞を梶田隆章東大教授が受賞した。
大村教授の寄生虫をポアする薬は何となく判るが、梶田教授のニュートリノに質量がある云々は、全く持って何の事かチンプンカンプンである。
それはさて置き、2日続けての受賞にJAPANの民は大興奮。
「なかなか捨てた民族ではないだろ。エッヘン!」てなもんである。
次元はクジラとメダカ、月とスッポン、釣鐘と提灯ぐらい違うが、マスターも『雄太貯金』を2日続けて当てて、「どんなもんだい!」とえばりたかったんだが……….。

「マスターさん。昨日はすいませんでした。何度もLINEを送ったんですが………」
「あ、そうかい。いや〜携帯が壊れちまってよ〜。すまぬ、すまぬ」
さすがに意地悪をし過ぎたと反省したのか、バレバレの嘘を付いてオツムをポリポリとかいたマスター。
「中谷J凄い騎乗でしたね。あんまり強いんで驚きました」
「うん、まあ〜たまたま当たっただけよ。ラッキーチャチャ!てなもんだ」
一時は空中分解の危機に襲われたが、当たればケンチャナヨ。
結果オーライってやつだ。

「マスター、最高のロケットスタートを決めましたね。4万7千円の勝ちですよ。この調子で今日も行きましょう」
「阪神9Rのオールステイだろ。これが結構難しい。先行力では抜けているし、矢作調教師もコメントでは、離して逃げる宣言をぶち上げてるが…….。少頭数がいいように思えてもそれがそうでもねえんだ。逃げ馬がまんまとハマるには、有力馬が後方で牽制し合うとか、多頭数でゴチャついて他の馬が不利を喰らうとか、全然力がないんでノーマークだとか色々条件が揃わないとな〜。早めに並び掛けられたら、あれま〜(≧∇≦)てな事態が起こるんだよな」

「マスターさん、リプレイ何回見たんですか?」
「まあ〜近5走は10回ずつは見たぜ」
「ひえ〜合計50回ですか。じゃあ当たりますね」
「○原さん、それで当たりゃ苦労しねえよ。今ごろビルの一棟や二棟は立ってらあね。配当もリスクの割には安いし、このレースはケンするか?」
「え!中谷J、今日はこの一鞍だけなんでしょ。買いましょうよ」
○原さん、土曜日に味を締めたのかやたら積極的だ。

「よしそこまで云うなら…….オールステイは頭あって紐なし。単勝を5000円買うか」
「5000円ですか?マスターさんえらい弱気ですね。1万円買いましょ」
マスター、どの口が云ってやがると思ったが、まあ逃げ切りも十分考えられると同意した。
スタートしてハナを切った中谷Jとオールステイ。
サイレンススズカは云い過ぎだが、果敢な逃げで後続馬を大きく引き離す。
しかも1000mの通過タイムが1.03秒と云う絶妙の逃げだ。

「いけ〜!雄太ワッショイ!オールワッショイ!逃げ切っちまえ!」
秋祭り御輿の掛け声も顔負けの大騒ぎ。
ウインズの馬券愛好家の諸君も「逃げ残るんちゃうか。おら!幸はよ被せんかい」etc…..。
バット!4角を回って直線。
残り150mで脚色が怪しい。
「雄太!雄太!雄太〜〜キャーやめてくれ〜」
マスター達の絶叫が悲鳴に変わる、神戸元町ウインズ午後2時20分前。
恐れていた事が起こった。

ノーベル賞みたいに2日続けて「エッヘン!」なんて事はないよな~_~;
それが競馬だ。

本日もお付き合いありがとうございました。
明日は悪夢の『スフリンターズS』ですね。
宜しくお願い致します。