北新地競馬交友録

競馬とボクシング

『人は見かけによらぬもの』とは、昔から良く使われる諺であるが……。
「マスターさん、今日の反省会は台湾料理の○玉食堂ですか?」
「そのつもりだけど」
「出来たらテレビの見れるお店がいいです」
「○玉でピータン&おビールと思ってたのに何でだよ?」
「7時からボクシングがあるんで」
「あ、井岡な。じゃあそうしようか」
「ありがとうございます」

○原さん熊本県天草出身68歳。
嫁さんに先立たれ、1人娘は遠方に嫁いで、神戸板宿での1人暮らし。
身長160センチあるなしのヨーダ系だ。
趣味は競馬と高校野球だけかと思っていたら、ボクシングにも目がないそうな。
それが聞いて驚いたの驚かないのって、高校時代はボクシング部に所属。
フライ級でビシバシ、サンドバックを叩いてたってんだから、マスタービックリだ。

競馬が終わって、テレビのある居酒屋になだれ込んだ3人組。
「○原さん、どっからでも殴って来いよ」
「マスター!やめた方がいいですよ。周りに迷惑ですよ」
「K君なにが〜?別に隣のおっさんを殴れって云ってんじゃねえ〜んだ。いいじゃん」
軽く左のパンチを出した○原さん。
「なんだそんなヘナチョコパンチ。こう避けて、右ストレートでこ〜だ!」
マスターの繰り出した右ストレートを軽くウェービングする○原さん。

一連の流れで右のパンチをチョコんと出したんだが、これがマスターのチンにグンバツのタイミングで炸裂。
そんなに強くないパンチなのに、脳が揺れてストンと椅子に腰を落としたマスター。
キョトンとした顔をして不思議そうな表情を浮かべている。
昔取った杵柄とは云え、こうまでカウンターが上手く決まるとはΣ(゚д゚lll)

ショックを受けたマスター、「くぬやろー!本気出しやがって頭来たな〜。おめ〜がそう来るなら俺はこうだ!」
いきなりブルドッキングヘッドロックを○原さんに決めるマスター。
そりゃボクシングじゃなくてプロレスだ!
いい加減にせんかい(呆)
まあ〜、相変わらず馬鹿な事をやってるんだが、その日の競馬でも、阪神2Rでショックを受けた。

「明日は豊ジョッキーで3回目のレースです。今回結果が出ないと先々が不安です」
「あ〜ゴーフォワードね。豊様なら何とかしてくれんじゃねえの」
「だったらいいんですが、複勝100円ぐらい買って応援宜しくお願いします」
「まあ〜100円て訳には行かないんで3000円ぐらいはお付き合いで」
日曜日の競馬の前日、マスターのところに寄ってくれた、ゴーフォワードの馬主さんとの会話。

エイシンギカント抜けた!クラリティアイズが迫る。3番手にゴーフォワード!
6番人気なにするものぞで、3着に突っ込んだ武豊Jとゴーフォワード。
複勝がニャンと!540円も付いて、3000円が16200円になった。
じゃあ、万々歳じゃないですかって?
それが、シュンとして元気がまるでないマスター。
「大損したぜ。30万は楽勝で落とした〜 涙」

何でそんな話しになるかは、また明日です。
皆様、お付き合いの程宜しくお願い申し上げます。