北新地競馬交友録

麗しき国の麗しき競馬 その3

今まで馬券で痛い目にあった回数を聞かれて、「そうさな〜己の両手両足じゃ全然足りねえ。そこいらを歩いてる婆さんや爺さんも全員集合!てなもんよ」
やられた事を自慢してるんだから、マスターは立派な馬鹿だが、それだけに調子がいいと思ってる時こそ、足元にボッカリと暗渠が広がっている事を知っている。

「発表!阪神9Rは、豊大明神のマキシムドパリ、竜二のエイシンハドソン、イタリアの至宝デムちゃんのトウケイアロー3頭立てのレース。まずは最近ご縁の出来た馬主さんのトウケイアロー単複頑張れ馬券を5千円ずつ。この距離ならペースを読む事にかけちゃ〜他の追随を許さない豊大明神と、芝の長目なら2馬身は違うデムちゃんのワイドに2万6千円。以上!」
「え!3万6千円しか張らないんですか?」
「控えろ〜うつけ者が、海の中でじっくり考えたが、調子に乗りすぎるのは良くねえ。それで今までどれだけやられたか」

まあ、何だかんだ理由は付けているが、元金は確保したいと、単に弱気の虫が騒いだだけ。
「最後の直線!エイシンハドソン2馬身半のリード。マキシムドパリが外から差してくる。内からメイショウラリマー、トウケイアロー。マキシムドパリがエイシンハドソンを交わした〜」
携帯の音声だけじゃ画像がないもんだから、マキシムドパリが勝ち、2着がエイシンハドソンなのは判るが、3着にトウケイアローが来たのかどうかが判らないマスター。
デムちゃんが3着になってくれてなきゃ馬券が鼻もかめないゴミになる(≧∇≦)

メールなんて七面どくさい事やってられっか!とK君に携帯でダイヤルインだ。
「おい!3着は?」
「トウケイアローです。マスターおめでとうございます。でも出番がないと云っていた、福永Jのフローレスダンサーがきわどく突っ込んで来てましたよ。心臓が止まりそうになりました。ちょっと待ってください◯原さんに変わります」
「マスターさん、ありがとうございます。ワイド一点で当たりました」
「うん、うん。まあ〜何だな俺の云う事を聞いてりゃ間違いねえよ。◯原さん一人歩きはいけねえよ。一人歩きはよ〜」
(当たれば言いたい放題だな 笑)

トウケイアローの単勝は外れたが、複勝が180円。
マキシムドパリとのワイドが、ニャンと!仰け反りの470円。
ビシッと利益が出た。
またまたガッツポーズのマスター。
ここんとこ負け続きだったもんだから、鼻息の荒いの荒くないのって……。
「よっしゃ!締めはお世話になっているS澤さんの愛馬ボクノナオミちゃんに、ご贔屓スグルちゃんが乗る阪神10R『新涼特別』でいてこましたる」と高らかに宣言をした。
これが、まさか、まさかの………。

お話しの続きは明日でございます。
皆様、後、1回お付き合い宜しくお願い申し上げます。