北新地競馬交友録

『口取り物語』VOL7 俺は身内だ! その1

『帰れない二人』by 井上陽水

思ったよりも 夜露は冷たく
二人の声もふるえていました
「僕は君を」と言いかけた時
街の灯が消えました
もう星は帰ろうとしている
帰れない二人を残して

井上陽水さんの名曲で、二人は恋人同士だが……….。

「スープカレーでも食べて帰ろか」
「はい、お供しまス」
「いいですね」
大一番『菊花賞』
1番人気ながら、結局、薬局、放送局で4着。
3冠を賭けたレースは終わった。

競馬番組のキャスターで東京から駆け付けたHさん、マスター、そしてジョッキー。
『菊花賞』から日が変わり、もう朝の4時を回って、井上陽水流に云うなら、星は帰ろうとしてるのに帰れないおじさんが3人。
京都木屋町のバルで帰るキッカケを完全に無くしている。

「マスター、紹介しとくね。ジョッキーの○○さん」
「ようこそここへクッククック!ライブリマウント大好きでした!」
ジュンコ桜田ちゃんも、仰け反るぐらいのウエルカム。
苦労人が大好きなマスター大喜びだ。
Hさんがジョッキーを紹介してくれたのは、秋の日はつるべ落としの10月半ばの月曜日。
次の年には皐月賞、ダービーをぶっこ抜いて、我がJAPAN競馬愛好家を興奮の渦に叩き込む。

2歳戦を勝ち上がるのに3戦。
阪神1600野路菊Sは勝つもの、萩Sでは4着。
東京スポーツ杯2歳Sを2着。
報知杯中京2歳Sを1着。
まさか、その馬とジョッキーが……お釈迦様でも、閻魔様でも…………..。
年が明けて、マスター熱狂の日々がビギニングだ!

続きはまた明日。
皆様、お付き合い宜しくお願い申し上げます。