北新地競馬交友録

『口取り物語』VOL3 ミホノブルボンの背に乗って その1

神戸の気温はただいま29度。
まだ5月だと云うのにね(≧∇≦)
ビールが美味しい季節が例年よりチョイと早く到来。
CFがTVでガンガン流れている。
昔のTVCF3本柱と云えば、家電、車、そしてビール。
マスターが中学生の頃に見て、衝撃を受けたのは世界のミフネの「男はだまってサッポロビール」のTVCF。

「課長!任してください。ガッチリいい宣伝計画立てますから、まずマーケティングはですね…………………………..」
「判った!判った。君に任すわ」
大阪北新地でBARを開くまでは、広告会社の営業部長。
オツムの弱いのは口数でカバー。
マスターの必殺技は、担当者が辟易としてオッケーを出すまで喋り続ける事だ。

男たるもの、ベラベラ喋りまくるような、みっともない真似はすべきでない。
世界のミフネのCFを見て、そう心に刻んだものの、現実は喋らなきゃおまんまの食い上げ。
その反動だろうか、男女限らず無口なタイプに萌え〜。
そんなマスターが惚れ込んだのが、無口ならJRA史上並ぶ者なしと評されたダービージョッキー。

「素晴らしいレースでしたね」
「…………………………………………..」
「どの辺りで勝てると思いましたか?」
「………………………………………….」
「ファンの皆さんに一言」
「………………………ありがとうございました」
インタビューアー泣かせ。
マスター、あまりに盛り上がらないんで、競馬場のモニターに向かって「◯◯!日本一」とシャウトして、周りから「こいつは阿呆か」と馬鹿にされたそうな。

「マスター、今日は取り引き先の方が来てるんで、家族の面倒見て貰えるかな?」
「喜んで!」
『頑固炉端』の店員みたいな二つ返事。
「え〜、全員集合。このレースは熱血小林徹Jが上手くスタートを切れるかどうか?それが全て。スタートさえへぐらなければ、オイデ!オイデの逃げ切りで決まる」
「競馬ってそんな簡単なもんなんですか?」
「お母さん、よくぞ聞いてくれた。昨日の晩から必死こいて検討した結果だから間違いない」

今回は勝つチャンスと見て、馬主さんがご家族、取り引き先まで呼んでの大デレゲーション。
普段、競馬場どころか馬券が何かすらわからない馬主さんの母上。
馬券はちょくちょく買うが、専門紙の印を見て買うのが精一杯の弟さん等々、素人集団を前にして講釈を垂れるマスター。
「弟さん!何してんの?馬連なんて買っちゃいけませんよ。頭あってヒモなし。単勝、7番を塗りつぶさなきゃ」
マスターがあんまり自信タップリに云うもんだから、馬券は全員単勝で勝負と相成った!

マスター!大丈夫か?

ミホノブルボンと何の関係があるんですかって?
これが大有りなんで明日をお楽しみに!