北新地競馬交友録

父を超えるのは

天皇陛下が2月23日、63歳のお誕生日を迎えられた。
会見では、国民、雅子妃殿下、愛子内親王に対する思いを、誠実に述べられた。
何とも温和な人柄を感じさせる会見に、感銘を受けた国民は少なくないのではなかろうか。

そんな天皇陛下ではあるが、一つだけお気の毒だと思えるのが、上皇上皇后陛下の存在が、あまりに偉大過ぎると云う事。
例えば、『阪神淡路大震災』では、避難所である体育館を訪れた際に、板張りの床に跪き被災者に話しかけられた姿は、まさに國父、國母であった。

質素倹約を常とし、365日我が国の安寧を祈り、国民に寄り添い続けられた上皇上皇后陛下。
そのお二人に肩を並べるのは大変な事ではあるが………..。
馬鹿げた新型コロナ騒動も、ようやく出口が見えて来た。
日本各地や世界に積極的に脚をお運びいただきたいものである。

「あ!」スタート直後、浜中J騎乗のメイショウハリオが堂々の出遅れ。
鼻歌混じりで勝ったレモンポップの2着に、戸崎Jのドライスタウトが来れば助かりでも、そんな上手い話しはない。
鉄火の手離れ、「お前はもうタヒッテいる」by拳四朗。
北新地の盆暗の『フェブラリーS』は1秒で終わった。
それが先週の日曜日の話しである。

「マスターさん、おはようございます。今朝もまだ寒いですね。」は熊本天草出身○原さん。
「まあな。しかし、俺やお宅みたいなボンビーは、毎日、寒いだの、暑いだのそんな話しばっかだな。富裕層見てみい、そんな話しまるでしてねえョ。あ〜やだやだ。除染でもして貰わねえと、その内ボンビー菌に、オソボにされちまう。」と、日曜日の朝の伝統芸ボヤキ節に余念がない。

「今日は『中山記念』ですか?それとも『阪急杯』ですか?」
「豪華メンバーの揃った『中山記念』と行きたいところだが、目移りしてどうにもいけねえ。まず当たるまいて。観てるだけで充分楽しいレースだからケンだ。買うなら『阪急杯』だろう。岩田の小倅のグレナディアガーズが2倍とはズンナイ人気だな。」
「2歳チャンピオンですし、阪神の1400は鬼ですからね。」

「鬼だか何だか知らねえが、親がフランケルだろ。早熟ぽいんだよな〜。そりゃ親父は欧州で14戦14勝の負け知らず。ジョンブル達が『オー!モンスター』と仰反ったぐらい強かったが、我がニホリカでは産駒が少ないのもあるが、ソウルスターリングとモズアスコットぐらいじゃねえの。現実にグレナディアガーズだって去年は勝ってねえじゃんか。まあ、3着を外したら国会にデモだろうが………..俺ぁ和生のアグリの方に気がある。」

「なる程ですね。で、馬券はどのように?」
「発表!阪神メイン『阪急杯』アグリとグレナディアガーズのワイドで2倍付くなら福島上等カレー、はい、食べて行っておくんなせいの4万両。でもって夏の背広で裏無し。アグリからグレナディアガーズの馬単に1万両。これが9倍付くんだから買わねえ手はあるま〜が。俺も懐が寒くなって来たからソロソロ本気だすわ。」
「本気って?……………。」

皇室を引き合いに出したら、先の不幸な大戦前なら、不敬罪でお縄になるもいい世の中になった。
偉大な親を乗り越えるのは簡単じゃないと、グレナディアガーズの評価を一枚下げた北新地の盆暗なのである。