北新地競馬交友録

連敗に終止符を

毎月25日になると、お給金が振り込まれるサラリーマン稼業から離れてほぼ20年。
それによって東京に行く事がまるでなくなった。
最後に行ったのがウォッカが『ダービー』をゲットした2007年の東京競馬場。
ニャンと!15年も東京に脚を踏み入れてない事になる。

東京のイメージと云えばとにかく広い。
電車や地下鉄が入り組んで、目的地に着く時間がまるで見当も付かないのだから、一言で云うならば、筋金入りのお登りさんといったところだ。
何せ、いたって判りやすい関西の阪神間で育った身なのでそれも致し方ない。

山側から順に、『阪急』『JR』『阪神』と3本の電車が、海に対して平行に走っている。
お上品な『阪急』、再開発がドンドン進む『JR』に対して、『阪神』はセールスポイントがまるでないが、一つだけ自慢出来るのが、野球の『阪神タイガース』が沿線にある事。

その『阪神タイガース』が信じられないぐらいの不調に喘いでいる。
4月9日のディゲームも『広島カープ』にコテンパン太郎にやられ開幕から13試合を戦って借金10。
スタンドに向かって、トラッキーと一緒に深々と頭を下げる矢野監督に、罵声が浴びせられる事態と相なった。

たまたま出勤で、『阪神電車』に乗り合わせたが、試合が終わり、ユニホームを着たファンが肩を落として、ゾロゾロと電車に乗り込んで来た。
普段なら、全員評論家で、あ〜でもない、こ〜でもないと賑やかなのだが、見える範囲のファンは全員無言。

「北へ帰る人の群れは誰も無口で〜 海なりだけを聞いている。」
まさに、石川さゆりちゃんの、『津軽海峡冬景色』状態であった。
「『大阪桐蔭』と交代や!」なんてギャグがその内に飛び出すかも。

また!負けた!『阪神タイガース』

「あれはねえだろう〜、あれはよ〜。いくら動物が走っていると云っても、佑介のジャックドールはともかく、年度代表馬武史のエフフォーリアに捜索令状が出るなんてョ。しかもオツムに来る事に、一番人気、二番人気がガッツリ飛んでるのに、3連複が僅か5万とチョイ。馬券が下手なのはお宅だけですぜ。なんて馬鹿にされている気分だ。とにかく、武史の野郎にゃ〜いくら損させられるか判ったもんじゃねえ。救いは仲良くさせて貰ってるJr.の馬がもう一息で掲示板だった事ぐれぇだ。しかし、康成の野郎酷い追い方をしやがる。あれで故障したらどうしてくれるんない!」日曜日の朝のお約束、ボヤキ節を聞かされる気の毒なK君。

「まあ、まあ、今日はクラッシック第一弾の『桜花賞』。いい馬券取りましょう。」
「あ の な。馬柱を見てみない。俺の天敵武史がまた一番人気のナミュールに乗ってんじゃねえか。まともならイマイチのスタートをカバー出来る大外枠は大歓迎。直線で真ん中から外目のコース取りで剛脚が爆発するはずだ。バット武史だからな〜。あいつ俺が馬券買ってるのを知ってて、嫌がらせをしてんじゃねえか?」
「何を馬鹿な事を。マスターの事なんて知る訳ないでしょうが。」

「まあ、そうだろうがな。安全策で枠連にすっか。8枠に同居しているデムーロのサークルオブライフが万が一時はスケてくれるだろう。8ー8が本線で2万、4ー8を1万、2ー8、3ー8を平に7千、7ー8を6千でどうだ。」
「どうだは結構ですが、随分と細かい買い方ですね。」
「ホットケーキで大きなお世話。連敗続き、まるで馬券が当たらねえから苦しいんだ。なんなら5万ばかし放ってくれ。景気良く張ってやるからョ。」
「………………」

先に連敗続きに終止符を打つのは、『阪神タイガース』か『北新地の盆暗』か?
どちらも苦しい!