北新地競馬交友録

すっとぼけ

『毎日が日曜日』は故城山三郎先生の小説だが、『蔓延防止基本措置』により、もじ通りそんな日々が続いている。
「1週間、誰とも話してない。」なんて事もあり、ハートのバランスを取るのにいささか注意は必要だが、兎に角時間だけは売るほどある。

そんな中勃発したのがロシアのウクライナ侵攻。
当初は、「ロシアいかん!あかん!遺憾砲発射。」で、世界中が避難ゴーゴーレッツゴー。
バット!どうしてこんな事になったのか?
北海の白熊ことプーチンのオツムがプッツンしたのか?

ロシアとウクライナに関して、『キエフ公国』から現代まで遡ると、どうも「ロシアいかん!あかん!遺憾砲発射。」の一言では済まない背景が見えてくる。
ほぼ無尽蔵に時間はあるのだから、朝から晩まで、インターネットを読み漁る日々。
島国でほぼニホリカ人のみの我がJapanとは、まるで違う世界なのが判る。

とは云うものの、「我々は、ウクライナを攻撃していない。ロシアの安全が脅威にさらされているのだ。ロシアは、毎日、人道回廊を開設している。最も安全で有効なルートが定められている。地政学的な地図のなかで、ロシアの生死をかけた戦いが行われている。これはウクライナにおけるアメリカ国防総省の実験だ。ロシアが戦争を望んだことは一度もない。ウクライナ市民は“人間の盾”にされている。“人間の盾”として人質になっている民間人を解放したい」
ロシアのラブロフ外相のコメントは無茶苦茶である。

実際やっている事を、やってないと強弁するならば、一分の理すら吹っ飛んでしまう。
更に、ヤケのヤンパチ、日焼けのナスビで、北海の白熊がボタンをポチと押せば大変な事態に。
「東京の本日の感染者9164人、ステルスオミクロンから逃げろ!」なんて気楽な事は云っていられなくなる。
第三次世界大戦だろうが、核戦争だろうが、エスカレートすれば、ロシアは間違いなく負けてカントリーが無くなる。
北海の白熊!冷静になれ。

「マスター、おはよございます。昨日からあったかいですね。」は、一部上場会社勤務で、「オミクロン?は〜?それなんですか〜?」のK君。
寄らば大樹の陰で、余裕のヨッチャンなんだから羨ましい限りである。
「俺もあったかいんだから〜とミノムシの歌でも歌いたいところだが、懐が氷河時代に突入しようとしている。」
「マスター、ミノムシじゃなくて、クマムシですよ。やだな〜わざとらしいボケは。」
「へい、へい、どうもずいませんね。」

「今日はどうします?モーリスの最高傑作ジャックドールの『金鯱賞』も面白いし、春のクラッシックを占う『Fレビュー』も楽しみです。」
「まあな、お宅みてぇに余裕のある人間はいいだろうが、どれが勝つかまるで見えない『金鯱賞』や、小学生のチイチイパッパ『Fレビュー』で道楽するなんてとても、とても。」
「じゃ〜どのレースで?」
「中京10R『昇竜S』のフルムが面白いんじゃねえか。」

「屋根が………………..水口J。今年まだ1勝です。」
「たわけ!優也だから単が13倍もつくんじゃねえか。将雅が乗ってたら堂々の一番人気だ。もっとも展開には注文がつく。将雅が鼻を切って予定調和で、デムーロやジェントル幸が控えると寒い。期待は関東の刺客拓弥だ。なんせ馬主もゴドルフィンだから何の忖度もねえだろう。将雅を潰しに行ってくれれば優也の出番が回って来る。」
「馬券はどのように?それとお預かりしている資金がもうないのですが。」
「あ、そう。立て替えておいてくれ。フルムが突っ込んで来たら祝儀を弾むからョ。」
「…………………….」

「発表!フルムから馬連で3.5.9へ平に1万。単勝に1万、元どりで複勝に2万。」
「マスター、予算越えます。」
「なぬ?チミは口座に6万ポッチも余裕がないのか?何の為に立派な会社に勤めとるんない。やめちまえ!やめちまえ!」
「………………………..」
レース後、「え、俺馬券買ってたの?ユーの気のせいだろう。」なんて、どっかの国の外相のように、すっとぼけた与太話しを飛ばさないで済む事を祈る。
水口J!突っ込め!