北新地競馬交友録

欲しがりません

『欲しがりません勝つまでは』by ていちく こくみん がっしょうたい

どんな短い 鉛筆も
どんな小さい 紙切れも
無駄にしないで 使います
そうです 僕達 私達
「欲しがりません勝つまでは」

靴や洋服 新しく
つくることより 役に立つ
強い体を つくります
そうです銃後も 戦地です
「欲しがりません勝つまでは」

これは戦車に 飛行機に
これはお艦を つくるため
みんな揃って 貯金です
そうです心を 引き締めて
「欲しがりません勝つまでは」

北に南に 次々と
あがる日の丸 勝鬨に
負けず劣らず 進みます
そうです 日本の子供なら
「欲しがりません勝つまでは」

先の不幸な大戦。
国家総動員法が発令され、全国から聖戦貫徹の為の、標語が集められた。
「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」、「進め一億火の玉だ」、「石油の一滴、血の一滴」、そして「欲しがりません勝つまでは」。
随分と勇ましい調子が続くが、トリを務めるのは「贅沢は素敵だ」元へ、「贅沢は敵だ」であろう。

今回、何回目か忘れたが、緊急事態宣言発出を受けて、生活必需品以外の売り場は閉鎖すべしの大号令に、反発をしたのがデパートである。
何のエビデンスもないのに、そんな与太話をいつまでも受け入れていたら存亡の危機と、高級ブランド売り場を再開したが、これに噛み付いたのが某知事閣下だ。

日本百貨店協会に対してこの12日に提出した要望書では『豪奢品』の販売をやり玉にあげ、14日には会見で「高級衣料品は生活必需品に当たらない」と釘をさした。
さらに都の担当者は百貨店や高級ブランドの路面店まで直接押しかけ、休業を求める圧を掛けまくっていると聞く。
戦時中ならまだしも、何と云う高圧的な対応であろうか。

現在、飲食店グループのグローバルダイニング社が訴えているが、百貨店も訴訟を起こすべきだ。
自分に逆らう輩は根絶やしにすると云わんばかりの、一連の某知事閣下の所業は、憲法違反としか思えないのだから。

「マスターおはようございます。グランアレグリアの強さにはのけぞりましたね。」は、新型コロナ禍でボーナスこそ少し減ったが、本給には何の被害も受けていないK君。
「ああ、ルメ公の野郎、人が買ってねえとよく来やがる。レシステンシアの豊の乗り方には何の問題もなかったが、マイルでは役者が違い過ぎた。しかし当たらねえな。またも負けたか8連隊じゃどうしようもあんめいが。今日の『オークス』は、JRAが全力でスターに押し上げようとしているソダシの一人舞台のような気がするが……。」

「安いですよ!単勝2.0複勝は1-2〜1.4です。」
「百ばかし遊んでるマニーがありゃ〜単勝20、複勝に80ぐれぇをエイヤでぶち込んでやるが、手元不如意で毎週の5万でヒイコラ云ってる身分だからョ。ソダシを買いたかねえが、切ると必ず来るからな〜。発表!馬単ボックス、隼人のソダシ、ルメ公のアカイトリノムスメ、プリンスのファインルージュ一目2千の6点張り。3連単フォーメーション、一列目にその3頭、二列目にプラスイタリアの伊達漢デムーロのユーバーレーベン、三列目にその4頭プラス、内から1.2.5.15.18、一目6百の63点張りで馬単と併せて4万と9千8百だ。」と結論付けた。

「マスター、○原さんが、最近お会いしてないんで、食事会でもと云ってるんですが。」
「だって、外に出てもアルコールの一滴でも飲んだらお縄になんだもん仕方なかんべ。」
「ですから、家飲みで手巻き寿しでもいかがですか?」
「そんな話しは後、後。まずは『オークス』を当ててからの話しだろうが。」とひとっぱたき。
どっかの知事みたいに、「贅沢は敵」、「欲しがりません勝つまでは」のマスターのようだが………さて。