北新地競馬交友録

閑散とした街を

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、政府の大規模イベント自粛要請を受けて、29日は初めての週末となった。
若きやる気満々の知事が外出を控えるよう呼びかけた北海道では、札幌の繁華街や函館の観光名所はガラガラ蛇やって来たで人の姿もまばら。
東京のネズミーランドや、大阪の銀行と紛らわしい名前の施設も閉鎖でひっそりとしている。
我らがJRAも無観客となり、乗り役も「寂しい」とか、「いつもと雰囲気が違う」と云ったコメントを出している。
マスターの店のある北新地も、一昨年の地震の時でも、もう少しは人が歩いていたと云うぐらい閑散としている。

終わりの見えない状況には、いらだちが募るばかりである。

「マスター、おはようございます。昨日の○位Jのハンメルフィストは強かったですね。古川Jも一生懸命追ってましたが。」は、競馬友達のK君。
「まあな、4角では手応えが悪く見えたから、こりゃ!いただきだ!とガッツポーズをしようと思ったところ。普段ならまず有り得ない粘着質な追い方で勝ちやがった。いつもあんな調子だったら、300勝ぐれえ余分にしてるっちゅ〜の。全く持って最後まで迷惑な野郎だぜ。」とひとくさり。

「日曜日はどうします?マスターの家でグリーンチャンネル見ながら鍋でも食べますか?」
「悪ぃ〜、明日はちいとばかし野暮用で出掛けなきゃならねえ。」
「また、また、見栄はって。マスターの場合、お店、ウインズか競馬場。それしか行動範囲がないでしょ。まさか競馬場ですか?」
「ノーコメント。馬券はユーの即パットで買ってくれ。」

「はい、はい。秘密主義者さんは何買うんですか?」
「そりゃ〜頭数が少なくても役者が揃った『中山記念』だろう。プリンスのインディチャンプ、嫌だが横典のダノンキングリー、デムーロのラッキーライラック。この3頭の馬連ロータリー馬券。各1万、締めて3万両で軽くジャブを打つ。」と結論付けた。

マスター、閑散とした街をテクテクどこへ向かうのやら、恐らく競馬場のような気がするが………..さて。