北新地競馬交友録

世相馬券

第92回米アカデミー賞授賞式で、Koreaポン・ジュノ監督の『パラサイト 半地下の家族』が非英語作品として初の作品賞を受賞した。
同作品はこのほか、国際長編映画賞と脚本賞、監督賞を獲得し、4冠を達成。
アカデミー賞で、英語で字幕がつくシネマが作品賞を受賞したのはこの作品が初めてとなるそうな。
見てないのに貶すのは反則としても、これには驚いた。
作品紹介によると、ソウルの半地下アパートに住む貧しい家族と、豪邸に住む裕福な一家を題材にした、社会風刺色の強い作品らしいが…………..。

例えば水もしたたるいい男と、すごぶる付きのハクイ女が絡んだり、え!っとビックリするぐらいのアクションが繰り広げられたり、最後の最後、大どんでん返しで犯人が発覚したり、そんなスタイリッシュでスリリングなのがシネマの基本だと思っている。
今年ノミネートされたシネマなら、クエンティン・タランティーノ監督。
レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットという2大スターを初共演させ、落ち目の俳優とそのスタントマンの2人の友情と絆を軸に、1969年ハリウッド黄金時代の光と闇を描いた『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』が素晴らしかった。
間違っても、半地下に寝起きするみすぼらしい人達の話しを見ようとは思わないなるなりである。

「マスター、おはようございます。何か電波が悪いですね。」は、日本で3番目にオツムのいい学校を出て、堂々一部上場企業で禄をはむK君。
「しかたなかんべ。今、新幹線で小倉に驀進中だ。」
「小倉ですか?出不精のマスターがビックリですね。」
「まあな、色々あんだョ。それよか土曜日京都の2R決まったな。馬単が9百、馬連が3百と6十はオッズが下がり過ぎだがドンピシャリ!一撃で9万にチイとばかし欠ける儲けが出た。勘一郎が突っ込んでキタ時は、さすがにハートがキュッとなって心筋梗塞かと思ったぜ。3連単の3着がまるでノーマーク10番人気の智昭が粘ったのには驚いたけどョ、それもご愛敬てなもんだ。先週やられた分を一発で取り返すなんざ〜、今年のミーは一味も二味も違うぜ。」と、自慢話をエンドレスに続けるマスター。

「今日はどうします?資金は豊富ですよ。」
「そうだな、歌は世に連れ、世は歌に連れ。競馬も同じ、この辺りで世相馬券でクルーザーが買えるぐれぇ儲けるか。直ぐに頭に浮かぶのは、来週から始まるリオのカーニバル。浅黒いスキンのおねーちゃん達が踊りまくるのがご存知サンバダンス。してから今日の小倉5Rで走るのが、京都馬主協会のお偉いさんの愛馬サンバパレード。この前一番人気でふっ飛んで、損させられた。今回は返して貰う予定が。」
「どうしたんですか?」
「イマイチ陣営のトーンが上がらねえんだな〜。去年の夏、小倉の千でずんない時計を叩き出した時までは戻ってねえらしい。当然出すからには勝ち負けを意識しているらしいが…….。困った、困ったコマドリ姉妹たぁ〜この事だ。」

「でしたら『京都記念』でも買いますか、牝馬のカレンブーケドールとクロノジェネシスが人気。今や女性が強い時代ですからね。」
「お宅もおべたい人間だね。女が強いのは今に始まった事じゃねえ。一頭、予想紙と睨めっこしてピンと来た馬がいる。東京メイン『共同通信杯』豊が乗るマイラブソディなんてどうだ。」
「どうだって何がです?あ!頂戴アカデミー賞が発表になりましたが、去年のアカデミー賞の4冠、ロックバンド、クイーンのボーカル、フレディ・マーキュリーの伝記ドラマで、『ボヘミアン•ラプソディ』との引っ掛けですか。それはいいですが、マスター単勝1.6倍のダントツ人気ですし、9頭の小頭数じゃ馬券の買いようがないです。」

「たわけ!小頭数上等、出来れば2頭立てのレースの馬連を売ってくれたら俺ぁJRAに土下座して感謝するってぇ〜の。発表!ワイド!豊のマイラブソディとルメ公のダーリントンホールに5万。2倍付きゃ〜上等だろう。」と結論付けた。
世相馬券だなんて云いながら、小学生でも買えるワイドを購入するマスター。
単に人気どころをピックアップしただけで、クルーザーどころかおもちゃの船が精一杯と思うのだが………さて。