北新地競馬交友録

宝くじと

大昔、故大宅壮一が流行らせた言葉『一億総白痴化』。
「テレビというメディアは非常に低俗なものであり、テレビばかり見ていると人間の想像力や思考力を低下させてしまう」と、警鐘を鳴らしたと云う訳である。

それに間違いはないが、たまに画面に釘付けになる企画もある。
金曜日見ていたのは、『宝くじを1800万買う男』。
2018年末、平成最後の年末ジャンボ宝くじを株歴40年超えのプロ投資家が爆買いで、10億円ゲッチューを目論んだ。
買いも買ったり6万枚。
何せ、機械での当選番号の確認だけでまる2日掛かると云うのだから、大変な枚数である。
カシャカシャカシャと機械に吸い込まれていき、高額当選が出ると赤い文字で表示されるシーンから目が離せない。
結果!100万円が1枚、10万円が14万、以下ユニットで購入していたら必ず当たるコシャ多数で、1,800万円購入した宝くじだが、663万3,900円しか返って来なかった。
1,136万6,100円損、堂々のガミ興業である。
次から次にゴミになって行く宝くじが写る映像を見ての感想は、一言「当たんないもんだな〜」
皆さん、宝くじなんて買っても無駄ですぞ(//∇//)

「マスター、おはようございます。土曜日のノーセキュリティ駄目でしたね。」は競馬友達のK君。
「駄目なんてそんな甘っちょろいもんじゃねえ。大きなドンガラしてまるでヤル気がねえんだもん。競馬場でズッコケタぜ。やっぱ馬券を洒落で買っちゃ〜いけねえって事だ。しかし当たんねえ。まる3ヶ月ぐれぇはまともに当たってねんじゃねえか。こんなこっちゃ、ナンボ夜中に空き缶拾っても追っつかねえョ。何も100万、200万の大穴を狙ってんじゃねえ。3倍、4倍取りに行ってオソボにされてりゃ世話〜ねえぜ。タイムマシーンとかねえのかな?したらレース結果を確認してから戻って来て、全財産ブチ込むんだが。」と、妄想に朝から浸っているのだから事態は深刻である。

「今日はG1『チャンピオンズC』ですね」
「実力拮抗で難し過ぎて買いたくねえんだが、馬券を止める時は、この世からオサラバする時と決めてるから買うか。ユーは何買うんだ?それに乗るわ。」
「やめてください。マスターに乗られたら当たるもんも当たりませんから」
「おい!もう一遍歌いやがれ、事と次第によっちゃ〜獄門打ち首まであっぞ。」
「冗談ですよ、決まってんじゃないですか。あんまり元気がないので、喝を入れさせていただいただけですから。そうそう、その迫力がなきゃ〜マスターらしくないですよ。一丁!尾張名古屋砂の最終決戦で大爆発と行きましょう。」

「へ、俺もユー見てぇなザー太郎に元気付けられるようになっちゃお終ぇめえだが、ナンボかでも絵にしなくちゃ年が越せねえから気張るしかねえか。」
「馬券はどのように?」
「3連単で行こう。」
「え?2階から目薬なんでしょ3連単は。普段から当たる訳がないと云ってんじゃないですか」
「ああ、その通〜りのタケモトピアノだが、5万や10万の端金を儲けても追っつかない状況なんだから仕方なかんべ。1列目、2列目にプリンスのチューワウイザード、将雅のクリソベリル、デットーリのオメガパヒューム、ルメールのゴールドドリームを塗って、3列目にその4頭と、内からマーフィーのタイムフライヤー、レジェンドのインティ、スミヨンのウェスタールンド、ムーアのサトノティターン、ジェントルのヴァンジェンス合わせて9頭84点張り。一目1千でいてこます。」

「お得意の枠は封印ですか?予算はまだ6千円あります。」
「くぬ野郎!人生のパイセンの尻をかきやがって、2ー3に5千、3ー3に1千だ。」と、もう自棄っぱち。
宝くじとタメを張るぐらい当たらない馬券にフラフラのマスターだが…….さて。