北新地競馬交友録

一の矢二の矢

2019年世界柔道選手権大会が面白い。
一瞬の技で勝ち負けが決まる緊張感が半端ない。
金曜日は100キロ級のウルフ・アロンが登場。
1、2回戦ともに、技でポイントを取りきれずに反則勝ちで進んだ。
「こりゃ〜厳しいな〜」と思っていたら案の定準々決勝で、KOREAの趙グハムに延長1分過ぎ、背負い投げに体を回しきれず左肩がついての敗戦だ。
この階級は人材不足で、17年から3年連続で世界選手権に出場するウルフに頼るしかない状況なんだとか。
ウルフがこけたらどうにもならないではお家芸が泣く。
出て来いや!おデブちゃん!

「マスターさん、おはようございます。めっきり涼しくなってホッとしますね。夜はクーラーなしでもオッケーです」は熊本天草出身○原さん。
「そうよな〜、暑い、暑いと毎日泣きを入れてたら気が付けば8月も終わり。今年も3分の2が過ぎ残すところ4カ月だ。つらつら思い返すに、メシ食って、酒飲んで、馬券買って。人様にまんじこける事の一つもなかった。テメーで云うのもなんだが、生き恥を晒すとは俺の事ョ。虚しいったらありゃしねえ。これ以上長生きしても、な〜もいい事なんてねえから、お迎え!かかって来いや!の気分だ」と、秋の気配が漂って来たせいか、プチおセンチモードに突入したマスター。

「まあ、まあ。生きていればいい事もあります。先週の鰻もばかうまでしたし。まずは馬券を当てましょう」
「へい、へい。ホビットで顔は猿みてえなザー太郎だが、神様は○原さんにいいもんをくれたな〜」
「なんですか?」
「楽天家、お気楽本舗って事ョ。まあいいや。今日の『札幌2歳S』は芦○崇信幼稚園ひまわり組の真司君でも当たる。謙一のダーリントンホールとルメ公のゴルコンダ。ダーリントンホールがゴドルフィンで、ゴルコンダがサンデーレーシングで、2頭ともキムキムの管理馬だ。どんだけ営業が上手ぇんだキムキムは。ルメ公が逃げ失速しても、謙一が好位から差してのお疲れさん。よく出来た話しだぜ」

「なるほどですね。馬券はどのように?」
「ワイドで行こう」
「え!ワイド!無茶苦茶安いですョ。現在1.6ですから」
「いいんだョ、5万張りゃ〜2分もたたない内に、自動的に3万儲かるんだ。こんな旨え話しはまずねえぞ。しかしキムキムの野郎本当ぼろ儲けだな。1ー10に5万でいてこます」
「武豊Jのサトノゴールドが怖いんじゃないですか?」
「ゴルシ産駒だろ、そったら恐ろしい馬買えっか!」とひとっぱたき。

お家芸である柔道はウルフがコケたらどうしようもないが、木村厩舎は一の矢二の矢で、ニッコリタンメンとのマスターの見立てだが……….さて。