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わたしの勝利

第3回山本慎一さん

幼少の頃から乗馬を始め、学生時代には国民体育大会にも出場した経験があった関係で馬には大変興味を持っていました。そのような事も踏まえて、確か28歳の時と思いますが、アラブ系の競走馬を買いました。大して走らなかったので余り記憶には残っていないです。何しろ中途半端のことが嫌いな性格も加味されて、しかも馬に対する愛情も以前にも増してきましたので外国から繁殖牝馬と種牡馬も購入しました。国内に於いても毎年数十頭買いましたので、一気に愛情と楽しみ期待も増加しました。また競走馬を所有するだけでは物足らなくて生産にも意欲が湧いてきました。

そんな折1969年に知人から依頼を受けて田中牧場を買取り、『えりも農場』を開場する事になりました。当初はなかなか軌道に乗れず大変苦労しましたが、1980年に生産馬のサニーシプレーが最優秀3歳馬に選出され、関係者の間でも徐々に評価が高くなり脚光を浴びるに至りました。更には1985年には北海道勇払郡厚真町に厚真トレーニングセンターを開場しました。生産馬で厚真トレーニングセンターで育成した馬からエリモシック(エリザベス女王杯)、エリモエクセル(オークス制覇)、3年連続函館記念を制覇のエリモハリアーをはじめ平地、障害レースに於いてもGレースで優勝しました馬は数多くおりますが、何と言っても未だ強く脳裏に焼きついていますのが、多く競馬ファンに『気まぐれジョージ』の愛称で呼ばれファンを魅了し、愛されたエリモジョージ(昭和51年春第73回天皇賞優勝馬)です。私にとっても初めてのGⅠ獲得馬なので、今でも語り尽くせぬ思い出が一杯残っています。

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オーナーなら誰もが痛感することですが、非常に確率の低い1割程度の優勝に喜びながら、反面9割の落胆を味わっておられるでしょう。私も悲喜交交も繰り返しの連続を受けながら、愛馬を所有して早いもので60余年になりました。今年11月で90歳になりますが、まだまだ夢を求めております。愛馬が出走の時は必ずパドックまで足を運び無事に走って、願わくば優勝してくれます事を懇願しております。

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