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前田幸治オーナーに聞く

PART2 激闘を終え、世界の頂きめざして

レースを終えて、激戦の末、残念ながら2着となりました。今の率直なお気持ちをお聞かせください
まずは、トランセンドに温かなご声援を送ってくださいました皆様に心から感謝申し上げます。願い通り、スタートから先行することができたので、まずは一安心しました。その後、内ラチ沿いを並走している中継車を気にする素振りを見せていましたが、展開としては思い通りと言っていいのではないでしょうか。スローペースに、デムーロ騎手が早めに仕掛けてきましたので、トランセンドには少し厳しいレースになりましたが最後の直線でも、もう一度差し返そうとする粘り強さを見せてくれて、叩き合いには力が入りました。最後は半馬身差届かず2着となりましたが、日本馬2頭の激走で、日本馬の強さを世界にアピールできたことを誇りに思います。レース直後に、ブリーダーズカップへの出走の依頼があり、改めて、世界中のホースマンが注目しているレースなんだと実感しました。オーナーブリーダーとして、生産馬で世界の大舞台に挑戦することができたことを光栄に思いますし、またその結果が、新たな世界の大舞台へと導いてくれる。改めて競馬に深く魅了されました。

東日本大震災に対し日本馬の関係者は「HOPE」と書いたTシャツを着ていました
私達もスタッフ、応援団全員が喪章を付けて観戦しておりました。
ドバイでは競馬関係者だけでなくタクシーやレストランなど、どこにいても多くの方が日本に対して励ましの言葉をかけてくださいました。レースの前日には、シェイクモハメドご自身が、ダーレー関係者の食事会で、「今年は日本馬が大きな喜びを持って帰って欲しい」と仰ってくださったそうです。日本馬のワンツーフィニッシュに、ガッツポーズで喜びを表してくださっていましたし、優勝馬の関係者の方々を、本当に温かく迎えておられましたね。世界中が、日本に祈りと励ましを捧げてくださっています。多くの人が苦しまれている中、競馬をして良いものか、という気持ちもありましたが、ファンの方から、「トランセンドの頑張りに、勇気がわきました」、「希望が持てた気がします」などと仰っていただき、私達も励まされた次第です。暗いニュースが続く日本に、少しでも明るく希望のあるニュースがお届けできたなら、こんなに嬉しいことはありません。
最後に、トランセンドの今後のスケジュールなどを含めて、一言お願いします
日本に帰国後は、大山ヒルズで暫く休養に入りたいと思います。その後は馬の状態を見ながら、JCダートの連覇を目指して始動させたいと思っています。
そして来年ドバイにもう一度挑戦して、次こそワールドカップを獲りたいですね。日本馬の連覇となれば、世界中が驚愕するのではないでしょうか。日本競馬の素晴らしさを世界にアピールできるよう、これからも更に強い馬作りを目指してまいります。今後とも、温かなご声援をお願いいたします。

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