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リレーコラム我ら淀人(よどんちゅ)

コラムニスト プロフィール
氏名:池江 敏行(いけえ としゆき)
職業:調教助手(高野厩舎所属)


1962年生、叔父である池江泰郎調教師の開業時から定年退職解散まで調教助手として所属、メジロマックイーン・ディープインパクトなど数々の名馬の調教を担当。 今現在は、栗東高野厩舎所属の調教助手。
著書に「真相~ディープインパクトデビューから引退まで今だから言えること」がある。

第1回

「池江泰郎厩舎」

はじめまして!
栗東 高野厩舎で、調教助手をしています池江敏行です。
今週より1ヶ月間、私がコラム担当となりましたが、本職は馬乗りですので乱筆・乱文お許し下さい。
さて、開業から30年以上もの長い間、お世話になった池江泰郎調教師が今年の2月いっぱいで定年退職となり、解散させてはならない厩舎が又一つなくなってしまったわけですが・・・
それに伴い、長い間苦楽を共にしてきた厩舎仲間達とも離れ離れになり、皆が新しい厩舎へとそれぞれ転厩していきました。
今年の栗東の新規開業調教師は5名、その中でも一番若い高野調教師にお世話になる事が決まりました。 若いですが、人間的にも素晴らしく勿論調教師としてもスゴく才能のある方で、近い将来必ずや素晴らしい仕事をやってくれるのではと毎日楽しく働かさせてもらっています。
現在働かさせてもらっている高野調教師の話は、後で書く事にして・・・
僕の調教助手としての原点、池江泰郎厩舎についてお話しましょう。
1979年に開業し、解散した今年の2月までの33年間を池江厩舎で過ごしたのですが、僕にとっての池江厩舎は最後まで修行・勉強の33年でした。勿論、今も勉強は続いているわけですが・・・。
池江調教師に馬の全てを教わり、又馬に馬の全てを教わり、僕の馬人生を楽しく有意義に過ごさせてくれた事、池江調教師それから数々の名馬達に本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
昔からよく、「馬に教わりました」なんて言いますが、僕の場合池江厩舎という素晴らしい環境で、なかなか出会う事のない素晴らしい馬達と仕事が出来、生涯忘れる事のない教えや感触をたくさんの馬からもらいました。
そんな数々の素晴らしい馬のなかでも飛び抜けて存在感のあった馬は、やはりディープインパクトです。
この馬の背中の感触だけは、絶対に一生忘れないと思います! 馬に乗れる人なら、全ての人に是非味わってほしかったと思えるぐらいの感触でした。
究極のサラブレッドと言われ、飛ぶ馬とまで言われたディープインパクト。
スピードが速くなればなるほど鳥肌がたつぐらいに柔らかくバネの効いた背中を味わえたのは、ホントわずか数人なんです!
調教していると、何人かの人に「一度でいいから騎乗させてほしい」と言われたものでしたが、どんなに技術のある人でも、あれほどの馬になってしまうと・・・
そう簡単にはって感じでした。
そんな貴重な体験が殆ど独り占め出来たわけですが、そんな中での裏話、調教での思い出、競馬での思い出を次週にたっぷり書きたいと思います!

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