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リレーコラム我ら淀人(よどんちゅ)

コラムニスト プロフィール
氏名:久保 和功(くぼ かずのり)
職業:競馬評論家


主に関西にて活動する、中央競馬の競走馬及びデータ収集・研究を行う競馬予想・評論家、独自の理論「京大式」の予想術で各種競馬メディア・競馬関連のサイトで活躍中。

第3回

「京都ダートコース攻略法!」

私、久保のコラムも3回目を迎えました。前回は安田記念の後、また新馬戦の開始と言うこともあり、少し時節的要素を取り入れディープ産駒の話題といたしました。みなさん自身いろいろなデータや持論をお持ちの事と思いますが、一つの予想・検討の材料となればと思います。

さて、阪神開催もこの週末で最終となり、来週からはいよいよ京都開催が始まります。私の記憶するところ(私が競馬を始めてから)ではこの時期の開催は初めてであり、番組編成も今年独自のものであると思われます。芝の生育・コース状況や天候といったこの時期特有の自然環境に起因するファクターはデータがなく、その部分の検討内容に関してはある意味手探り的なところもあります。そのような状況を踏まえ、今回のコラムではそういった季節特有のファクターに左右されない要素に基づいた京都コースの攻略法、特に今回はダート戦での攻略法を私なりにお話しして行きたいと思います。
京都ダート戦を攻略する3つのポイント
京都のダートコースは1周が1608mありますが、中山の1493m、阪神の1518mよりも広く、実は東京の1899mに次ぐ広さです。また、阪神は直線に高低差1.3mの坂があるのに対して、京都の直線はほぼフラット。これが結果にどう影響するでしょうか?第1回のコラムでは主に以下の3つのポイントを記しました。
①1800m戦を比較すれば、阪神より京都の方が約0秒5時計が速い
②4角を先頭で回れば複勝率は48.6%にも及ぶ
③4角で大外を回れば、勝率は1%にも満たない
つまり、先行して、内を通れることが勝利への近道。それなら内枠の方が有利ではないかと推測できます。実際に昨年1年間の枠順別成績を調べてみました。
最短距離を通れる内枠が有利か?
主要距離の枠番別連対率を調べたのが(※表1)。
1200m戦では1枠の15.1%が最高。逆に8枠は9.2%と低く、唯一、10%を下回っています。やはり最短距離を通れる内枠が有利なようです。
次に1800m戦を見てみると、さらに1200m戦より内枠有利の傾向。1枠、2枠、4枠がすべて15%超え。それに対して1200m戦と同様で、8枠は7.7%と最も低くなっています。3枠も7.7%と低いのは、スタート直後にゴチャつく枠なのかもしれません。
そして、少し傾向が異なるのが1400m戦。5枠が20.5%と断トツで高く、続いて8枠が15.9%と続きます。1200m戦、1800m戦と違って、8枠が高いのは意外。逆に最も低いのが1枠の6.8%で、続いて3枠も8.0%と10%を切っています。
これはスタート地点の影響でしょう。1400m戦に限って、芝のポケットからのスタート。内枠では芝を走る距離が約150mですが、外枠であれば約180mとなります。この芝を走る“30m”の距離の差が、外枠有利に繋がっています。1200m戦、1800m戦は「内枠有利」、1400m戦は「外枠有利」というデータは、覚えておけば馬券にも活かせるはずです。
京都ダートが得意な騎手は?
さて、距離別の傾向をお話していきましたが、つづいてより自然環境に左右されにくい要素“騎手”にフォーカスを当てお話をしていきたいと思います。
下に(※表2)昨年の京都ダート戦の勝率ベスト5(騎乗数100回以上)を調べてみました。
トップは岩田騎手の勝率12.8%。単勝回収率は81.1%止まりなのは、人気馬に騎乗する機会が多いため、京都ダートでは頼りになるジョッキーです。
一方、回収率をベースに考えれば、断トツで高いのが池添騎手。勝率は4位に留まりましたが、単勝回収率244.8%、複勝回収率121.3%のいずれもトップ。年間を通してこの数値はお見事。その他では川田騎手、福永騎手、秋山騎手が上位に名を連ねます。
安藤騎手、武豊騎手は騎乗数が100回未満ですが、勝率はそれぞれ21.3%、22.6%。以前ほど乗りクラが多くはないですが、騎乗してきた際には結果は残しています。
今回のまとめ
・1200m戦、1800m戦は「内枠有利」、逆に1400m戦は「外枠有利」
・騎乗数100回以上では、岩田騎手が勝率トップ
・武豊騎手、安藤勝騎手は騎乗数は少ないが、勝率は20%超と高い
・回収率は池添騎手が断トツで高い
さて、私の担当も次回が最後となります。引き続き皆様の京都コース攻略の参考になる、情報をお届けできればと考えておりますので、ご期待下さい!

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