はい!現場の大恵です

引退式

少し時間が経ってしまいましたが、今月4日に阪神競馬場で行われた福永祐一騎手の引退式にジーンとしました。

当日はチューリップ賞が行われるとはいえ、土曜日。
従来ならさほど入場者は多くありませんが、この日は開門直後の9時過ぎから入場門は幾重にも折り重なる行列でした。
それは、先着2万名に福永祐一騎手のメモリアルブックが配布されたことも多いに関係しているでしょう。

1レースのパドックからGIデーのような人の多さで
この日、騎手デビューを迎える田口貫太騎手の父・田口輝彦調教師(地方・笠松)は
「こんなに大勢のお客さんの前でデビューできるなんて、いいね!」
と喜んでいました。

チューリップ賞では現役時代に騎乗し、母や近親にも多く騎乗したミツバに乗っての誘導。
そして最終レース後には引退式が行われました。

北橋修二 元調教師が渡した花束は、エイシンプレストンなどゆかりの深い「エイシン」さんの勝負服を模した赤と黒の縦縞、
武豊騎手は金子真人オーナーの勝負服を彷彿とさせる黄色と黒色のデザインでした。

サプライズで登場した父・福永洋一 元騎手は阪神競馬場での落馬事故で
「天才」と称された騎手人生に幕を下ろさざるをえなかった方。
高知競馬場で福永洋一記念が行われる時にはたびたび高知へ来場していましたが
まさかJRAの競馬場で、それも他ならぬ阪神競馬場でお姿を拝見できるとは。
引退式を行えぬままターフから去った洋一さんにとっても、一つの区切りとなるセレモニーだったのかもしれません。

福永祐一騎手が退場時に流れたのはMr.Children「終わりなき旅」。
10年以上前、ある雑誌で「僕のテーマソング」としてこの曲を挙げていました。

♪高ければ高い壁の方が
登った時、気持ちいいもんだ
まだ限界だなんて認めちゃいないぜ♪

この部分の歌詞を聴くたび
福永祐一騎手の騎手人生は常に自分を奮い立たせながら歩んできた道だったのかな
と思いを巡らせていました。

騎手として最高の状態での引退。
27年間、お疲れ様でした。