はい!現場の大恵です

大下智元騎手

このたびの北海道胆振東部地震ににより被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
まだ断水中の地域もあると聞きます。一日も早い復興をお祈り申し上げます。

北海道の友人のことや地震のことを書こうかとも思ったのですが
今回の地震は馬産地が特に被害が大きかったこともあり
みなさん、おそらく日々いろんな情報を目にされていると思いますので
あえてここでは別の話題を。
昨日11日(火)、佐賀競馬場に行ってきました。
お仕事としては、ヤングジョッキーズトライアルの取材だったのですが
最終レースに組み込まれていたのが九州産馬限定の霧島賞。
JRAから5頭が参戦し、
見事勝利したのはコウユーヌレエフ(牡4、斉藤崇史厩舎)でした。

この馬、個人的に少し思い入れがありまして。

コウユーヌレエフは昨年、霧島賞トライアルのえびの特別を勝利しました。
その時も同日にヤングジョッキーズトライアルが組まれており
私も現地にいました。

当時、同馬の鞍上には大下智騎手。
この勝利が2017年の2勝目でもありました。

とある競馬サイトでは日常をつづったブログを書いていて
「明るいキャラクター」というイメージ。

「あ、ブログを書いている騎手だ!2勝目おめでとうございます」

くらいにしか当時は思っていませんでした。
ところが。
大下騎手は今年6月に騎手を引退。
実は昨秋、甲状腺ガン(ステージ4)が見つかり手術を受けていたのです。

大きくなったガンは摘出にあたり、視力が低下したり、大きな声が出せなくなる可能性があったそうです。

「もう馬には乗られへんな」

とご本人も覚悟されたと言いますが
手術は大成功を収め、視力の低下や声を大きく失うことはなく、トレセンに復帰。
しかし
「以前から、いつ引退するかを考えていた」
という中、ガンが1つのきっかけともなって
今年の日本ダービーの日の京都競馬場でラストライドを終え、ひっそりと鞭を置きました。

騎手への強い思いを胸に3回目の受験で競馬学校に合格した彼の引退やガンが公表されたのはそれから約1カ月後でした。

そんな大下騎手の最後の勝利がコウユーヌレエフとのコンビで掴んだえびの特別だったのです。

P1060724コウユーヌレエフ大下智騎手

 

残念ながらその次の霧島賞はキヨマサが連覇し、コウユーヌレエフは4着。

今はもう大下騎手は引退したので、コウユーヌレエフのレースに乗ることはありませんし
別の厩舎で調教助手をしているため、同馬の調教に跨ることもありません。

それでもなんだか昨日は、1年越しの夢を見た気がしました。

 

関係者のみなさん、おめでとうございました。
そして最後に、今年コウユーヌレエフに騎乗した川又賢治騎手。
先週の阪神では7番人気のヴァフラームで勝利を挙げるなど2日間で4勝の大活躍でした。
新しいエージェントをつけていますし、注目ですね。