そのきんナイター(園田競馬の金曜ナイター)のメインレースが終わって
優勝騎手にお話を伺いながら、馬場を歩いて直線中央に位置するウィナーズサークルに向かっていた。
すると
「フレッシュ~!」
と呼ぶ声がどこからともなく聞こえてくる。
「フレッシュ」というのは、私がまだ20歳そこそこ、瑞々しかった頃のあだ名。
振り返って観客スタンドの方を向くと
同じ地元の旧友がいた。
彼はいま栗東トレセンで持ち乗り調教助手をしている。
この日は、地元友達とナイター競馬を楽しみに来ていた様子。
「えーっ!久しぶり!!明日の仕事は大丈夫なん?」
と聞くと
「うん、明日は出走ないし。それよりなんか出世してるやん!」
と。
いえ、出世してるというより厚かましく取材するようになっただけ なんです。。。
馬場からスタンドエリアに入り、久しぶりにゆっくり話をしている と
トレセンに入って最初の数年は
担当馬で1勝も挙げることができず悔しい思いをしていた彼が
今ではオープン馬を担当しているという。
「今の厩舎では他ほど“担当”って感じじゃないけどね」
とのことらしいが、なぜだかこちらまで誇らしくなった。
その馬が昨日の福島11RバーデンバーデンCで僅差の2着だった。
勝ったマヤノリュウジンはゴール前のシャッターカメラでも
大外すぎて体が半分しか写っていない劇的な勝ち方をした。
かなり離れたところで差し切られてしまったが
しぶとく粘っての2着はかっこよかった。
そのことをメールで伝えると
「前走は出走取消しになってしまったから
今回は勝負かかっててん。
よかった!」と。
このあとは間違いなく夏の重賞戦線を賑わわせるだろう。
自分自身では気がつかないけれど
お互いに少し会わないうちに
成長していた気がする。