夢への第一歩

ローマンレジェンドと太田オーナー

 

 

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競馬リポーター 大恵陽子が 「Oh Yeah!!」と感動したレースや馬にまつわるエピソードを

馬主へのインタビューやトレセンでの取材を通してお届けします。

毎月第1週目更新!

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第8回目は新ダート王者と名高いローマンレジェンドと太田オーナー。

週末のみやこSにも出走予定です!

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馬主歴40年を超える太田美實オーナーとローマンレジェンドとの出会いは

太田オーナーの血統に対する熱い想いからはじまりました。

 

 

ブリーダーズカップ・クラシックの優勝馬オウサムアゲインの繁殖牝馬を

かねてから探されていた太田オーナー。

ところが、その産駒は日本にほとんど輸入されていなかったようです。

そんなとき偶然、社台ファームにオウサムアゲインの血を引く

繁殖牝馬がいることを知りました。

それがローマンレジェンドの母パーソナルレジェンド。

 

早速、吉田社長にパーソナルレジェンドの仔を分けてくださるようお願いしたそうです。

ちょうどその時、パーソナルレジェンドはフジキセキの仔を受胎していました。

翌年、無事に牝馬を出産したのですが

「繁殖牝馬として残しておきたい」

ということで断られてしまいます。

 

実はその時の牝馬が、ミラクルレジェンド。

ローマンレジェンドより一足早くダート女王として君臨中で

第1回JBCレディスクラシックの覇者。

そして週明け11月5日の同レースでは連覇を狙います。

 

ミラクルレジェンドが産まれた時

「翌年牡馬が産まれたらお譲りしましょう」と約束いただき

翌年産まれたのがスペシャルウィークの牡馬。

これが現在のローマンレジェンドです。

牡馬が産まれたと連絡を受けた太田オーナーは早速契約を交わしました。

「吉田社長には快く譲って頂き感謝しています。」

とおっしゃいます。

 

そうしてようやく手に入れてたローマンレジェンドについて太田オーナーは

「多少の故障はありましたが、無事に成長してくれました。

血統、馬体ともに素晴らしく気性も素直で前向きで大変気に入っています」

とおっしゃいます。

 

ローマンレジェンドのデビュー戦は京都 芝2000m

1着アドマイヤパーシア

2着クレスコグランド

に続く3着でした。

 

 

デビュー戦でのローマンレジェンド 写真提供:飯田孝明様

 

 

2戦目の未勝利戦は芝2200mで勝ち馬がギュスターヴクライ。

ここでは8着でした。

今振り返ると、デビュー戦、2戦目ともに芝の重賞ウィナーを輩出したレース。

「芝でもかなり走ると思われましたが、血統・馬体から考えて

ダートに向いているのではとダートを走らせました。」

との太田オーナーのお考えもあり、3戦目はダートへ転向します。

 

するといきなり6馬身差で未勝利を快勝。

500万下レースも連勝し、

続く1000万下こそナリタシルクロードの2着に敗れますが

1000万下・1600万下、そして夏に一度降級して再び1600万下勝利となりました。

 

降級戦となった1600万下の灘ステークス。

当時のブログにも書いてるのですが

直線入り口でまだ後ろの方にいても、その脚色から

「あ、勝つ。」

と確信を持てるほど一頭だけ脚色が際立っていました。

 

さらに続くジュライステークスではレコード勝ち。

新ダート王者への階段を勢い良く駆け上がります。

 

そしていよいよダート王者エスポワールシチーとの対決となった

前走エルムステークス。

4コーナーで外から並びかけたローマンレジェンドの

脚色が良く、抜け出すかと思いきや

エスポワールシチーも執念の粘りこみ。

2頭の意地とプライドがぶつかり合う激しい叩き合い、

さぁ前に出るのはどっち??

 

わずかにローマンレジェンドがクビ差抜けたところがゴールでした。

 

競馬ファンが大興奮した新旧ダート王者対決。

太田オーナーは意外にも

平常心を保ち無心で冷静に観戦していたとおっしゃいます。

 

長年の馬主歴の中で

数多くの勝利や大舞台をご経験されてきたからこそですね。

太田オーナーご自身もこんな興味深いことをおっしゃいます。

 

「これまでたくさんのレースに参戦し、多くの勝利を得ることができましたが

その多くは、平常心を失っているより、平常心を保ち無心でいる時だと感じています。」

 

 

数多くの勝利の中には大レースも含まれています。

中でも、ウイニングチケットでは日本ダービーを制されました。

 

日本ダービーを勝つとはどういうことなのか、

気になって聞いてみました。

するとここでも「平常心」という言葉が返ってきます。

 

「ウイニングチケットは2戦目、函館新馬戦で初勝利を挙げた後、

500万勝ちを経て、3連勝で暮れのオープン特別のホープフルSを3馬身差で勝ちました。

その時に「クラシックのひとつは取れる」と確信しました。

優れた調教師・騎手、熟練の厩務員に恵まれましたし

馬の優れた能力があったので日本ダービーを勝つことを信じていました。

ですので、勝利の瞬間も表彰式でも、平常心で臨むことができました。」

 

ただ、日本ダービーの帰り

京王線の電車の中で乗客の方々から

「おめでとう!」

と祝福を受け感激したことを今でも思い出されるそうです。

 

では、「最も印象に残る馬は?」

と伺うと、日本ダービー馬ウイニングチケットではなく

3歳年下の弟ロイヤルタッチだとおっしゃいます。

 

日本ダービー馬の弟、そしてサンデーサイレンスの初年度産駒ということで

太田オーナー期待の一頭。

少し遅いデビューだったものの、無事クラシック戦線にのりましたが

皐月賞2着、日本ダービー4着、菊花賞2着と

いずれもあと一歩のところで手が届きませんでした。

 

「この馬でクラシックのひとつは取れる」と思ってらっしゃっただけに

「競馬では期待に反する残念なことが多い中で

最も残念なことのひとつとなりました」

とおっしゃいます。

 

 

 

医師である太田オーナーが競馬に興味を持っていることから

馬主である患者さんから勧められて、馬主になり40年を超えました。

日本ダービーだけでなく

エイジアンウインズではヴィクトリアマイルも制されました。

そんな中で、競馬を通してできた人との縁についてこんな風に語られます。

 

「社台の吉田社長、メイショウの松本さん、

マヤノトップガン・マックスビューティの田所さん

マチカネの細川さん、エアの吉原さん等

枚挙に遑がない程の多くの馬主さんと交流を持ち

色々なことを教えてもらいました。

また、多くの調教師の先生、調教助手、厩務員、獣医師の先生方にも

諸々のことを教えてもらい互いに意見を交わすことによって

私の競馬に対する知識を深めることができました。

そして、多くの牧場主の方、マスコミの方、JRAの方にも

競馬に対する色々なことを学ばせて頂き感謝しています。

これらは私が競馬を愛し、競馬の知識を深く知るための糧となっています。

競馬は色々な要素がからみ合って奥深く、分からぬことが多く難解なものです。

しかし反面、分からぬから面白いとも言えます。

馬券・馬体・血統・繁殖・育成・削蹄・疾病・競馬の社会に及ぼす影響等

その他色々のことがあり、いずれをとっても興味深く面白いもので

趣味としても一生楽しめるものです。」

 

 

 

さて、週末に迫りましたみやこS。

太田オーナーはこうおっしゃいます。

 

「ローマンレジェンドにとっては大きい目標に向かってのステップレースとなります。

また現在の実力がどの程度か知る上で大切なレース。

ダートの一流馬になるためには多くの壁を超えなければならないと思いますが

ステップバイステップで一層の鍛錬を積んで

一流馬として活躍することを願っています。」

 

みやこSも平常心を保ってレースを観戦されることでしょう。