大恵 陽子 夢への第一歩


ハナズゴールと野本調教助手 Part.1

 

 

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競馬リポーター 大恵陽子が「Oh Yeah!!」と感動したレースや馬にまつわるエピソードを

馬主へのインタビューやトレセンでの取材を通してお届けします。

毎月第1週目更新!

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第13回目はハナズゴールと担当の野本調教助手です。

 

このコーナー第1回目ではハナズゴールのオーナーに
インタビューをしました。
山あり谷ありだった一年。
今回は野本調教助手の目線でハナズゴールについて語っていただきました。
2日間にわたってお届けします。

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ハナズゴールと野本剛史調教助手が初めて出会ったのは
厩舎の洗い場(馬を洗うところ)でした。

 

「入厩してきた時は、他の方が担当していました。
同じ厩舎なので洗い場で見かけていたのですが
あまりのおてんばっぷりに
「うわ…うるせぇ。こわいなぁ。」
と感じたのを覚えています。
それが、最初の担当者もその次の担当者も
以前からの担当馬が放牧から帰ってきたので
スライドして僕のところに回ってきました。
正直「げっ。」と思ってしまいましたね。
僕が担当したのはデビューする10日〜2週間前で
追い切りに乗った攻め専助手(調教専門の調教助手)は
「最初からいけるかもしれないぞ!走るよ!」
と言っていたのですが、調教に乗らない僕からしたら
「そうなのかな?それより、うるさい。」
って感じでした。」

 

野本調教助手がそうおっしゃるほどのおてんばっぷりだったハナズゴール。
しかし、攻め専助手の感じた乗り味はホンモノだったようで
デビュー戦を勝利で飾ります。
そして500万下クラスを3戦目で勝ちあがり
チューリップ賞へと駒を進めます。
阪神競馬場でのレースとなるため、栗東滞在することにしたのですが
ところが…

 

「初めての栗東で、カイ食いが落ちてしまって
戻すのに1週間くらいかかりました。」

 

-12kgでの出走となったチューリップ賞。
しかし結果はご存知の通り、圧勝でした。
のちの牝馬三冠馬ジェンティルドンナをも負かしたのです。

 

一躍、桜花賞の有力馬へと名乗りを挙げたハナズゴール。
しかし、予期せぬアクシデントが襲います。

 

桜花賞の最終追い切りを終えた水曜日。
洗い場で壁を思いっ切り蹴ってしまいます。
翌日には痛みで脚がつけないほどまで症状が悪化。

 

木曜日、出馬投票を前にして無念の回避でした。

 

「もう何て言ったらいいのか…
最後の最後で。
「どうしよう…」としか出てこなかったですね。
今でも色々考えます。
もうちょっと壁から離してたら、また違ったんじゃないか、
もう少し時間をおいてから手入れしたらよかったんじゃないか、とか。
オーナーにとっても、そしてトレセンに入って5年目だった僕にとっても
初めてのGI出走でした。」

 

一言ひとこと、
胸の奥から言葉を紡ぎだしてくださいました。

 

 

その後の状態はどうだったのでしょうか。

 

「美浦に戻ったのは桜花賞が終わってからなので
それまでは栗東で治療を受けていました。
ケガをしたからといって、大人しくなることはありませんでしたね。
注射はちゃんと獣医さんが打てたのですが
触診となると、蹴りが飛んでいってました。」

 

ケガをしていても、おてんばハナちゃんは健在だったようです。

 

「美浦に戻った後はぶつけた方の脚に鉄橋を打ちました。
蹄鉄の輪っかが空いている側に一本、橋のように棒をかけるんです。
ケガをした部分が砂とかで圧迫されないようにするためです。」

 

その後は、NHKマイルCとオークスは敗れましたが
休養を挟んで夏の札幌記念へと出走します。

 

 

(明日へつづく)