大恵 陽子 夢への第一歩


大惠ライジン

 

 

地方競馬・園田でいま一番注目を集めている馬といえば

 

 

オオエライジン!

 

 

デビュー以来負けなし!

先週のレースで10連勝となりました。

 



 

 

 

 

さて、そんな地方競馬ですが荒尾競馬が年内で廃止を発表しましたね。

 

荒尾競馬はJRAや地方競馬他地区で走っていた馬の転入先として、

また九州産馬の活躍の地として位置づけられていました。

 

しかし廃止されるということは、それらの受け皿がなくなるということ。

 

JRAや南関東をはじめとする他地区で

満足いく結果を出せなかった馬たちの行き先がひとつ減ります。

 

もちろん優勝劣敗の世界。

自然淘汰されていくのが摂理ではあります。

 

しかし、少しでも競走馬が競走馬らしく活躍できる場所が、

あるいは幸せに暮らせる場所が少しでも多くあれば、

と願うのはただのキレイ事なのでしょうか。

 

 

 

10月10日に三木ホースランドパークで開かれた

THANKS HORSES DAYS

 

 

馬に関わる人たちが、各業界の垣根を越えて

馬の魅力、とりわけ障害者乗馬やホースセラピーについて少しでも知ってもらおう

というイベントが行われました。

 

そこには

オリンピックなどでも活躍する馬術選手

障害者乗馬の選手

競馬関係者

などが参加されていました。

 

障害者乗馬の選手にはこのイベントの実行委員長であり元調教助手の福留さんや

元騎手の常石さん、元調教助手の宮路さんなど

競馬界の第一線で活躍されていたものの、

落馬により身体に障害をもった方もいらっしゃいました。

 

また現役競馬関係者には世界の角居調教師、

メジロマックイーンで菊花賞を勝った内田元騎手、

ダノンの冠名で知られるダノックス顧問の若原さんなど。

(若原さんは元オリンピックの馬術選手でもあり、

現在は関西大学馬術部で総監督もされています)

 

そして多くの栗東トレセンの調教助手・厩務員さんが

ボランティアスタッフとして会場運営に携わってらっしゃいました。

 

そのボランティアスタッフの厩務員さんのうちの一人は

こんなことをおっしゃっていました。

 

「僕らは現役の競走馬に乗っているけど、

みんながみんな現役を続けられるわけではない。

 

なかには成績不振で登録抹消される馬もいます。

行き先はほとんどが地方競馬か乗馬。

 

地方競馬に行ければいいけど、行けなかったら・・・

 

こういったイベントを通して日本の馬産業がもっと活発になったら、

乗馬施設なども増えて、引退した競走馬を受け入れてくれる施設も増えるはずです。

引退後の選択肢も広がります。

 

やっぱり成績を残せなくても自分が担当した馬のその後は気になりますから。

少しでも幸せになってほしい」と。

 

 

 

中央のオープンクラスで走っていたアルドラゴン(昆厩舎)がJRA引退後、園田に移籍しました。

園田の重賞レースを勝ちまくり、園田に負けなし!

というくらいブイブイ言わせていました。

 

この秋、10歳という年齢もあり引退しましたが

これだけ園田で活躍した馬でしたので

引退式も行われ、引退後はオーナー関連牧場で余生をすごすことになったようです。

 

JRAではオープン勝ちはありませんでした。

あのまま引退していれば、ファンに見守られ引退式をすることもなかったでしょう。

 

アルドラゴン自身がそれをどう感じているのかは分かりません。

人間側のエゴかもしれません。

しかし彼は園田に移籍し、新しい活躍の場を得ることで

多くの人から愛されていました。

 

 

 

そんな、少しでも幸せになってもらうための選択肢のひとつが

年内で消えようとしています。