川田重幸の栗東最前線!

家が花屋さんになりました。

佐々木晶三調教師さんは中山グランドジャンプを
勝った時は腰が抜けたと。
とにかく、人馬とも無事に飛んできてくれること
ばかりを願っていた。
その緊張感から解放されてホッとした時、
腰が抜けたとのことでした。
 では、勝った林騎手(H)はどうだったのでしょうか。
意外な?ことに
林騎手: 私もやったというよりも何かホッとした
という気持ちの方が強かったですね。
てっきり〝やった!〟という言葉が前面に出てくる
とばかり思っていたのですが…。

中山の大障害は普通のレースと違って
障害物もスケールが大きい。
おのずと落馬をする公算も高くなる。
 ところで調教師さんの話では
レース前に林騎手に落馬するパーセントは?
と聞いたと言ってましたが。
 H ええ、聞かれました。0%と応えました。
えぇ、0%ですか。
 H そういう気持ちで乗らないと乗れませんよ、と。
 調教師さんもその言葉を聞いて
気持ちが少しは落ち着いたことでしょう。
 続けて林騎手は
〝実際、この馬は障害物を見て飛ぶから〟と。
 ということは…。
 ひょっとして障害物を見ないで飛ぶ馬も
たまにはいるということでしょうか?

レースは実績馬アポロマーベリック(昨年の覇者)を
1馬身うしろから追いかけて、いつになく積極的に。
 H 前のレースでいい感じで運んでいたのに、
追い出して手応えほど伸びなかった。
遊びを作るよりも馬の気持ちを引き締めて
一生懸命、走る方向へ。4角をゴールに見立てて。
あの乗り方がいいと判断して。
あの馬(アポロマーベリック)を負かせば、
なんとかなる。そんな気持ちでした。
 林騎手は今まで中山大障害では2着が3回、3着もあって。
それも首差で負けた事もあったりして。
こんなに長く(4250メートル)走って、何で首差やねん。
そんな悔しい気持ちがずっとあった。
自分が一から育てた馬で
障害のGⅠを取るのが念願でした。
 それがかなったのだ!
それも2着以下に1秒7の大差勝ち。
 傍から見れば、メチャうれしいはずなのに、
本人はホッとした…。
大きな仕事をやり遂げた時って
やったという気持ちと、
これでやれやれというか、
なにかホッとした気持ちって。
こればかりは本人しかわからない…。
多分、喜びはあとになって
こみあげてきたことでしょう。
 H GⅠを取るのに30年かかりました。
 えぇ、30年?
 H 今、48才。今年で49才になります。
これでやめてもいいかなぁと思ったりして…。
でもまだまだ頑張っていきますと
締めくくってくれました。

そして、驚いたことに。
 H 皆さんから花とか、メールとかがいっぱい来て。
改めてGⅠは違うなぁ~と思いました。
家が花屋さんになりましたよ(笑い)。
 念願がかなって良かったですね。
あとに続くジョッキーにも他の仕事についている人も
いつかは願いがかなうと、
夢を持たせてくれました。
 林騎手、おめでとうございました。
年令的にそう長くは乗れないかもしれませんが、
いつまでも頑張ってください。

そのアップトゥデイトが今週、小倉サマージャンプに。
他の馬より重い62キロを背負って。
GⅠを勝った馬ですから斤量は増えます。
既に先週まででCWをビシッと3本の追い切り。
体もひと追い毎に引き締まり、動きもダイナミック。
小倉は障害入りのデビュー戦で2着。
檜舞台も踏んで今はあの時とはキャリアも違う。
確かに強い馬もいるし、斤量差もある。
しかも久々…。
でもどんな競馬をするか、
楽しみな1戦です。

一方、このレースは高田騎手が4年連続、勝っている。
今年は61キロのオースミムーン(2年前に60キロでV)で
同一重賞5連覇へチャレンジ。
それにしても4年連続制覇とは凄いですね。
そして今年勝つと5年連続。
熱っぽいレースになるんでしょうね。

それでは また。