北新地競馬交友録

大義はないが

「野党側が内閣不信任決議案を提出した場合、衆議院解散の大義になる」
冗談は芳子さん!故林家三平師匠も仰け反るような発言をしたのは菅官房長官。
どうやらこの方は、『大義』と云う言葉の意味をご存知ないのソニー損保だ。
『大義』とは、人として守るべき道義。国家・君主への忠義、親への孝行。
はたまた、重要な意義。大切な事柄。

お約束で、国会閉幕間際に半ば慣例的に提出される内閣不信任案。
今回に限りそれが解散の大義になるとは、あまりと云えばアマリリスだ。
本音は、「勝てると思えば解散する、負けそうなら解散はない」のくせに、よりによって『大義』とは、全く持って人を馬鹿にした話しであろう。
こんな、国をほっぽらかして、USAに顔を売りに行った人間がポスト安倍ちゃんとは、片腹痛いとしか云いようがないのである。

「マスターおはようございます。土曜日は何してたんですか?◯原さんが何回も電話してましたよ」は、競馬友達のK君。
「ユーみてぇに、のんべんだらりと生きてる人間には判らねえだろうが、俺ぐれぇになると色々あんだョ」とひっとっぱたぎ。
本当は金曜日に飲み過ぎて、完全にグロッキーだっただけ。
とてもじゃないが、馬券を買える状態ではなかった。

バット!前日予想では京都のメイン『平安S』は、「こったらレース、1枠1番デムーロのオメガパヒューム、4枠7番将雅のチュウワウィザード、同じく4枠8番裕信のサンライズソアを買っといたら自動的に当たる。枠の1ー4、4ー4の2点でお帳面のレースだがね」の見立てだった。

ところがオットット、2着にオリンピック精神のはずの単勝146.7倍で12番人気藤岡康太Jのモズアトラクションが突っ込んで、枠連こそ同枠に大野Jの4番人気がいて720円だったが、馬連は21830円の大万馬券決着となった。
「クワラバ、クワバラ、桑原和男。どこに穴ッポコが掘られてるか判ったもんじゃねえぜ」と相成った。

「今日はうら若き乙女の戦い『オークス』です。狙い馬はなんですか?」
「うむ、俺ぁ〜『オークス』と『ダービー』は、基本好きな馬、好きな屋根を買うようにしてんだ」
「判りました!先週儲けさせてくれたレーンジョッキが乗るコントラチェックでしょう」
「ブー!ブッブー!京都馬主協会の偉いさんが、以前うちの店に連れて来てくれた北村さんちの友君だ。それまでは生意気なだけと思い込んでいたが、これが真面目なんだョ。競馬に対す姿勢が、チャバクラでシャンパン振り回して暴れてる他の屋根とはまるで違う」

「クロノジェネシスですか」
「そうョ。親父がバゴって云うのも判官贔屓の俺にピッタリだ。バゴなんて『菊花賞』を勝ったビッグウィークぐれえしか出してねえじゃん。ここで友君が一発決めりゃ〜、次のシーズンはちいとはいいオナゴも集まって来る。クロノジェネシスの活躍でそこそこ人気は出てるようだが、十三のスナックのホステスばっかじゃ気合いも入るまぁて。たまには座って5万、新地の綺麗どころと一戦交えたいはずョ。発表!単勝2万!複勝8万でいてこます」と結論付けた。

『大義』なんてありゃしない、好きなだけと北村友一Jとクロノジェネシスと抱き合いのマスターだが……..さて。